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Category : 文芸
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シベールの日曜日

『シベールの日曜日』 Cybele ou les Dimanches de Ville d'Avray (1962年・フランス)

湖のほとり、ふたりだけで過ごす静かな日曜日。
青年と少女の儚くも美しいひとときが永遠に刻まれた傑作。

【スタッフ】
監督/セルジュ・ブールギニョン
脚色/セルジュ・ブールギニョン、アントワーヌ・チュダル
原作/ベルナール・エシャスリオー
台詞/セルジュ・ブールギニョン、ベルナール・エシャスリオー
撮影/アンリ・ドカエ
美術/ベルナール・エヴァン
音楽/モーリス・ジャール

【キャスト】
ピエール …………………ハーディ・クリューガー
フランソワーズ…………パトリシア・ゴッジ
マドレーヌ ………………ニコール・クールセル
カルロス …………………ダニエル・イヴェルネル
ベルナール医師 …………アンドレ・オウマンスキー
ベルナールの友人 ………ミシェル・ド・レ

【ストーリー】
インドシナ戦争でパイロットだったピエールは戦場で少女を射殺したと思いこみ、それ以来、みずから激しい戦に加わり、墜落のショックで彼は記憶喪失性となった。パリの病院に勤める看護婦である恋人マドレーヌの愛情も、友人である芸術家カルロスの友情もピエールの孤独な心を救えなかった。彼はあてもなく町をさまよい歩いた。
あるたそがれ時、ピエールは町で一人の少女に会った。少女の名はフランソワーズで寄宿学校に入れられていた。父親から見捨てられたのだ。二人は日曜日ごとに会い、互に孤独な二人の間には汚れのない愛情が生れていった。日曜日は二人にとって貴重な時間となったが、この日曜日を守るために、彼等は周囲に嘘をいわねばならなかった。マドレーヌもこの嘘に気づき心配して後を追ったが、池の畔で遊ぶ二人の姿は汚れのない美しいものだった。
《ネタバレ反転》
ピエールと少女は父と娘として装ってきたが、そんな嘘はいつまでもつづくはずがなかった。クリスマスがやってきた。いつものように二人は池の畔で楽しいクリスマスイブを過ごしていた。いまはピエールを唯一の友人と思っている彼女は、はじめて本当の名前はシベールだと告げるのだった。
一方、マドレーヌはピエールの不在に気づき、相談相手の医師ベルナールに助けを求めた。ピエールを頭から変質者扱いにしている彼は早速警察に連絡した。警察もベルナールと同じく、父親でもない男が少女と恋人同士のようにしているのに少女の危険を感じた。警官達は二人の楽しいクリスマスの現場に踏み込んできた。彼等はピエールにピストルを向けた。ピエールは死んだ。
シベールは池の畔でいつまでも泣き続けた……。




【解説】
フランスの作家ベルナール・エシャスリオーの小説「ビル・ダブレの日曜日」を映画化した記憶喪失症の青年と少女との純愛ドラマ。共に孤独であり純粋であった二つの心が、年齢差が違うというだけで偏見を受け、社会によって引き離されてしまう悲劇を描いています。モノクロの詩的な映像が美しく、幸せなシーンにも破滅の予感が漂い胸が締め付けられます。主演のハーディ・クリューガーはアクション映画や戦争映画での軍人のイメージが強かったけど、この作品で繊細な演技もできるんだと理解しました。
アカデミー外国映画最優秀作品賞、ベニス映画祭特別賞、アメリカ・アート・シアター賞などを受賞。
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『鬼火』 Le Feu follet (1963・仏/伊)
監督/ルイ・マル
脚本/ルイ・マル
原作/ピエール・ドリュ=ラ=ロシェル『ゆらめく炎』
音楽/エリック・サティ
撮影/ギスラン・クロケ
編集/スザンヌ・バロン
出演/モーリス・ロネ、ベルナール・ノエル、ジャンヌ・モロー、アレクサンドラ・スチュワルト、アンリ・セール

自殺を決意した男の最期の48時間。緊迫のサスペンス作品!

「人生の歩みは緩慢すぎる。自らの手で速めねば……」
アラン(モーリス・ロネ)は人生の虚ろさ耐え切れなく痛ましい、30代前半のハンサムな男性。その痛みを鈍らせるため酒浸りになり、アルコール中毒で入院療養中だ。
彼は死にとりつかれていた。壁の鏡には、7月23日の文字。彼の人生最期の日だ。鏡の周囲には、彼を愛さなかった妻の写真、マリリン・モンローの自殺記事の切り抜き、悲惨な事件の切り抜き……。アランは拳銃の弾丸を点検する。
翌日、パリに出たアランは旧友を再訪した。安定した家庭生活を送る友、だが、彼はその凡庸さを嫌悪する。
エヴァ(ジャンヌ・モロー)らは麻薬に日々を送る退廃。物事を待つだけの希望と虚偽の青春。待ちくたびれ荒廃に絶望を感じるのはアランだけなのだろうか。
昔なじみのソランジュ(アレクサンドラ・スチュワルト)が催す晩餐会。彼女の優しさも、アランの孤独感をつのらせるばかりだった。
[ネタバレ反転]
翌朝、療養所に戻ったアランは、読みかけの本の最後の頁を読み終えると、今、自ら生きたいと思っていたその希望が去り、生きることをやめた。
「ぼくは自殺する。君達もぼくを愛さず、ぼくも君達を愛さなかったからだ。だらしのない関係を緊め直すため、君達のぬぐいがたい汚点を残してやる」
静かにピストルの引き金を引いた。




ダダイスムの作家ジャック・リゴーの生涯に想を得たピエール・ドリュ=ラ=ロシェルの小説を、ルイ・マルが脚本化した作品。エリック・サティの印象的な旋律を背景に、アルコール依存症の男が自己を失い自殺に至るまでの48時間を、抑制の効いたモノクロームの画面で描いています。彼が友人に会うたび、彼とその人の距離が絶望的に遠いのが伝わり、心が痛くなります。プチブルインテリ青年の虚無感、自分に支柱を建てられず独善的な観念的人生論を討論し、友人たちを拒絶することを繰り返す姿は、社会に居所のない幽霊のようです。彼岸の彼方のようなエリック・サティの音楽でなければならない、静謐な映画です。1963年のヴェネツィア国際映画祭において審査員特別賞、ならびにイタリア批評家賞を受賞。

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『心の旅』 Regarding Henry (1991・米)
監督/マイク・ニコルズ
脚本/ジェフリー・エイブラムス
製作総指揮/ロバート・グリーンハット
製作/スコット・ルーディン、マイク・ニコルズ
撮影/ジュゼッペ・ロトゥンノ
美術/トニー・ウォルトン
音楽/ハンス・ジマー
編集/サム・オースティン
衣裳デザイン/アン・ロス
出演/ハリソン・フォード、アネット・ベニング、ミッキー・アレン、ビル・ナン、ドナルド・モファット、レベッカ・ミラー、アイダ・リナレス

ハリソン・フォードが名匠マイク・ニコルズ監督と組んで贈る、愛と感動と勇気の物語。

冬のニューヨーク。患者に医療ミスで告訴された大病院の失態を救った有能だが冷徹な弁護士へンリー(ハリソン・フォード)。家庭を顧ることもなく仕事一筋であった彼は、自宅からふらりと煙草を買いにドラッグストアに行気、店でたまたま強盗に遭遇した。そして頭部を撃たれ重傷を負い、記憶喪失になってしまう。妻子のことさえ思い出さず、文字も読めず、リハビリ・センターで心を閉ざし続けていたヘンリーだが、トレーナーのブラッドレー(ビル・ナン)の明るい看護により、無事退院するに至った。彼を待つ家族、妻のサラ(アネット・ベニング)と娘のレイチェル(ミッキー・アレン)は、自分たちのことを思い出せないヘンリーを悲しみつつも、以前とは違う優しさ溢れる姿に喜びを感じはじめる。
[ネタバレ反転]
もう以前のような有能な弁護士ではなく、裕福にはなりえない家族の生活。しかし、心は満たされはじめてきた。サラの浮気が発覚したが、それも以前の仕事一筋のヘンリーのせいであり、2人は和解する。かつての手段を選ばない弁護を恥じて弁護士を辞め、原告の患者サイドに真相の証拠を届けた彼は、サラと共に寄宿学校に入れたレイチェルを引きとりに行き、家族3人で生きていこうと誓うのであった。



アクション映画が多いハリソン・フォードの演技が光る、ヒューマン・ドラマです。冒頭の娘に意見する様は、弁がたって嫌味ったらしい「傲慢な弁護士」像にぴったり。銃撃後は外を怖れて弱々しかったり、良いことがあると素直に嬉しがったりというギャップが素晴らしい。歯車が狂っていた家族が一つづつ修正していく様が、とても心温まります。

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『再会の街で』 Reign Over Me (2007・米)
監督/マイク・バインダー
脚本/マイク・バインダー
製作/ジャック・バインダー、マイケル・ロテンバーグ
製作総指揮/ジャック・ジャラプト、リンウッド・スピンクス
音楽/ロルフ・ケント
撮影/ラス・オルソーブルック
編集/スティーヴ・エドワーズ、ジェレミー・ラウシュ
出演者/アダム・サンドラー、ドン・チードル、ジェイダ・ピンケット=スミス、リヴ・タイラー、サフロン・バロウズ、ドナルド・サザーランド、マイク・バインダー、ロバート・クライン、メリンダ・ディロン、ジョン・デ・ランシー、レエ・アレン、ポーラ・ニューサム、テッド・ライミ、B・J・ノヴァク

9.11同時多発テロを直接描くのではなく、そこからもたらされた「喪失」をじっくりとみつめた感動ドラマ。

ニューヨークで歯科医院を営むアラン・ジョンソン(ドン・チードル)は妻子に恵まれ、幸福で理想的な生活を送っていた。ある日アランは大学時代のルーム・メイト、チャーリー・ファインマン(アダム・サンドラー)を街で見かけて声をかける。ところがチャーリーはみすぼらしい格好をし視線が定まらず、アランの事も覚えていないという。その尋常でない雰囲気に驚いたアラン。彼のアパートに行き、一日中憑かれたようにゲームを続け上の空のチャーリーに、アランは聞いた。9.11で妻子を失ったという過去を。彼は未だに立ち直れず、心は押し潰されたまま重度のPTSD(心的外傷後ストレス障害)に陥っていた。
そんなチャーリーを立ち直らせようと、アランは行動をともにする。次第に彼らは互いを必要とする関係になっていくが、家族との時間までチャーリーにつぎ込んでいくアランに家族は不満を募らせる。「あなたはチャーリーの自由を羨んでいる」と妻ジャニーン(ジェイダ・ピンケット=スミス)に指摘され、返す言葉を失うアラン。
やがてアランの思いが通じたのか、チャーリーがセラピーを受けることに同意した。アランが紹介したのは同じビルで開業している精神科医のアンジェラ(リヴ・タイラー)だった。しかし、チャーリーが自分自身を見つめて心を開くのは思った以上に難しかった。アンジェラは、自分でなくても構わない、誰か他の人にでもいいから、家族を失ったことについて話して欲しい、とチャーリーに懇願した。するとチャーリーは、ドアの外で待っていたアランの隣に座り、静かに話し始めた。娘たちのこと、最愛の妻のこと、そしてあの日おこったことを……。
[ネタバレ反転]
やがてチャーリーは亡き妻の家族から訴訟を起こされる。「一人で悲しんでいないで、残された者で共に悲しむべきである」と、妻と子の遺品を渡せというのだ。アランとアンジェラの助けで、いかにチャーリーが傷ついているか、その傷がどれほど精神を縛っているか、未だに妻子をどれほど愛しているかを伝えることができた。ほんの少し心を開いたチャーリーとアンジェラは、ゲームを共にするようになる。アランは家庭を守り、チャーリーたちを見守るのだった。



911で家族を失った男の、再生の物語です。ときにシリアスに、時にはユーモラスに描かれる友情と、心を抉られるような喪失感が心に迫ります。コメディ俳優アダム・サンドラーのシリアスな演技は素晴らしい。ドン・チードルの演技は相変わらず良いです。社会生活の枠外へ出てしまった人間をどのようにして社会に復帰させるのか、そもそも引き戻せるのか、引き戻すべきなのか……難題を真摯に描いて喪失感や絶望、逃避の人生から明日へと繋げようとする希望の物語です。

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『裸のランチ』 NAKED LUNCH (1991・英/加)
監督/デイヴィッド・クローネンバーグ
脚本/デイヴィッド・クローネンバーグ
原作/ウィリアム・S・バロウズ
製作/ジェレミー・トーマス
撮影/ピーター・シャシスキー
美術/キャロル・スピア
音楽/ハワード・ショア
編集/ロナルド・サンダース
出演/ピーター・ウェラー、ジュディ・デイヴィス、イアン・ホルム、ロイ・シャイダー、ジュリアン・サンズ

──溺れるおそれあり。


1953年、ニューヨーク。ウィリアム・リー(ピーター・ウェラー)は害虫駆除の仕事をしていたが、殺虫剤が減るのが早すぎることに気づく。妻ジョーン(ジュディ・デイヴィス)が麻薬として使用していたのだ。ある日、麻薬捜査官に連行されたウィリアムの前に巨大な虫が現れ、彼に話しかける。スパイ活動と報告書提出、さらにインターゾーン商会の回し者だというジョーンの殺害を指示されるが、ウィリアムはバグを叩き潰して逃げ出す。
友人に紹介されてウィリアムはベンウェイ医師(ロイ・シャイダー)を訪ね、ジョーンのために、中毒に効くというムカデのパウダーをもらってくる。帰宅してジョーンとウィリアム・テルごっこをするが、彼の撃った弾丸が誤って彼女のこめかみに命中、ジョーンは死亡する。家を飛び出したウィリアムの前にマグワンプと名乗る怪物が現れ、タイプライターを手に入れてインターゾーンに行き、活動報告書を送るように命令。指示通りインターゾーンに向かうと、今度はタイプライターが自ら動き出してゴキブリとタイプライターが合体したようなバグライターに変身。ウィリアムはこの街でホモセクシャルのイヴ(ジュリアン・サンズ)やアメリカ人作家トム(イアン・ホルム)とその妻ジョーン(ジュディ・デイヴィス二役)らと出会う。
[ネタバレ反転]
死んだ妻に瓜二つのジョーンを誘惑するようバグライターから指示を受けたウィリアムが彼女とベッドにもぐり込むと、家政婦ファデラ(モニーク・メルキュア)が烈火のごとく怒って部屋に入ってきた。インターゾーンの秘密を探るうち、ファデラが重要な鍵を握る人物と分ってくる。インターゾーンの麻薬工場へ行ったウィリアムは、そこでファデラの正体がベンウェイ医師であることを知る。彼はベンウェイと取り引きして、アネクシア国で彼の事業を手伝う代わりにジョーンを護り受けることにする。ウィリアムとジョーンは車でアネクシアに向かった。国境で警備兵に職業を問われたビルは作家と答える。証拠を見せろと言われたウィリアムは、ジョーンとウィリアム・テルごっこをして彼女を射殺。アネクシアへ迎え入れられるのだった。



ウィリアム・S・バロウズのドラッグ小説を映画化。怪しげな登場人物にグロテスクなクリーチャー。しゃべるビッグ・サイズの昆虫に、軟体動物のようなタイプライター、ピーター・ウェラーの神経症的な表情。神経を逆撫でする異様なビジュアルに定評があるクローネンバーグ監督。その悪趣味ぶりは、いつもより三割増です。でも、そこがいい。物語としての体裁はないに等しく、明らかに原作者のバロウズをイメージした主人公の、ドラッグの悪夢を再現したかのような不思議な感覚に感性が翻弄されていきます。そのまま存分に悪夢の快感に浸ってください。

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『終身犯』 Birdman of Alcatraz (1961・米)
監督/ジョン・フランケンハイマー
製作/スチュアート・ミラー、ガイ・トロスパー
製作総指揮/ハロルド・ヘクト
原作/トーマス・E・ガディス
脚本/ガイ・トロスパー
撮影/バーネット・ガフィ、ロバート・クラスカー
編集/エドワード・マン
音楽/エルマー・バーンステイン
出演/バート・ランカスター、カール・マルデン、セルマ・リッター、ベティ・フィールド、ネヴィル・ブランド、エドモンド・オブライエン、ヒュー・マーロウ、テリー・サヴァラス、ウィット・ビセル、クラハン・デントン、ジェームズ・ウェスターフィールド

ジョン・フランケンハイマー監督が描く、
人間の尊厳について考えさせる感動の実話ドラマ。


1909年、ロバート・ストラウド(バート・ランカスター)は恋人に乱暴した男を殺し12年の刑で連邦刑務所に入れられる。ここでも母のことを罵った同房の囚人を傷害、レヴンワース刑務所へ移された。看守長はシューメイカー(カール・マルデン)という男。彼にはラムソンとクレイマーという二人の手荒な看守がついていた。ストラウドの母エリザベスが3千キロを汽車にゆられ息子に会いに来た。クレイマーは面会日でないからと追い返す。逆上したストラウドはクレイマーの心臓を一突きで刺す。正当防衛を主張するが絞首刑の宣告。しかしエリザベスのウィルスン大統領夫人への嘆願が功を奏し終身刑に減刑させる。ストラウドの独房生活が始まった。
ある日、彼は中庭に嵐に打たれズブ濡れになった雀を見つけ、独房に持ち込み育てた。色々な芸当を教え込んだ。シューメイカーは転任、後任の看守長コムストックは独房中でカナリヤを飼う許可を与えてくれた。熱心に小鳥を観察、鳥に関する本を読むストラウド。やがて彼は鳥類学の権威となり、独房内で鳥小屋と研究室の許可をもらい、さらにカナリヤの命取りともなる熱病の治療法を発見、その論文を雑誌に発表した。
ある日、ステラ・ジョンスン(ベティ・フィールド)という愛鳥家の未亡人が彼を訪ねてきた。例の論文を読んで会いたくてきたというのだ。二人は意気投合、ステラは彼に援助を申し込む。が、シューメイカーの差金で刑務所の管理方針が変わり、小鳥の飼育が禁止されそうになった。ステラはストラウドと獄中結婚、話題を巻起こして世論を喚起、刑務所側と対抗した。結局ストラウドは孤島のアルカトラス刑務所へ移されて対立はケリがついた。
[ネタバレ反転]
アルカトラス刑務所の所長はシューメイカー。小鳥の飼育は勿論禁止、ストラウドは法律を勉強し、今度は刑務所改善の論文を書く。が、それは没収されてしまう。そこへ四人の囚人が首謀者になっての暴動が起こる。騒ぎは間もなくおさまるが、この間、終始冷静にことをおさめるのに尽力したストラウドの態度は高く評価され、ミズーリ州の連邦囚人病院で小鳥の研究を続けることを許された。彼はもう孤独ではない、終身犯の身でありながら安らぎと幸福がそこにはあった。



実話の社会派感動作です。若い頃はアクションで売ったバート・ランカスターが主人公を演じましたが、若者役から年老いた役まで見事な演技を見せてくれます。彼と敵対する刑務所長役にカール・マルデンが扮して、毎度おなじみの憎々しい役を演じます。更に看守役のネヴィル・ブランドは、どちらかといえば悪役専門ですが、この映画では長年に渡り主人公を担当する、実直で優しい看守を演じています。白黒作品ですがとても面白く、いつの間にかストーリーに引き込まれますよ。

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『華麗なるギャツビー』 The Great Gatsby (1974・米)
監督/ジャック・クレイトン
脚本/フランシス・フォード・コッポラ、ウラジーミル・ナボコフ
原作/F・スコット・フィッツジェラルド
製作/デヴィッド・メリック
音楽/ネルソン・リドル
主題歌/ウィリアム・アザートン
撮影/ダグラス・スローカム
編集/トム・プリーストリー
出演/ロバート・レッドフォード、ミア・ファロー、ブルース・ダーン、カレン・ブラック、スコット・ウィルソン、サム・ウォーターストン、ロイス・チャイルズ、パッツィ・ケンジット、ロバーツ・ブロッサム、ハワード・ダ・シルヴァ、キャスリン・リー・スコット

富と名声を得、愛に挑んだとき青春は崩れはじめた ひたすらな優しさゆえの悲劇、
ギャツビーその華麗な愛の世界!


1922年のアメリカ。中西部出身のニック・キャラウェイは、イェール大学を卒業後、第一次大戦に従軍したのち帰郷。しかし故郷に孤独感を覚え、ニューヨークの証券会社で働くため、郊外のロング・アイランドにある高級住宅地ウェスト・エッグの小さなコテージへと越した。N.Y.に住む従兄弟であるデイジー夫婦の、金持ちゆえの価値観とのギャップにとまどうニック。隣の大邸宅に住んでいる人物は毎夜豪華なパーティーを開いている。広大な庭園には男たちや女たちが蛾のように集まって、嬌声やシャンパン、陽気なジャズの音が響く。その屋敷の主がジェイ・ギャツビーという人物であると知るが、ある日、ニックはギャツビーのパーティーに招かれる。しかし、そのパーティーの参加者のほとんどがギャツビーについて正確なことを知らず、彼の過去に関して悪意を含んだ噂ばかりを耳にする。やがてニックはギャツビーが5年ものあいだ胸に秘めていた、ある野望を知ることになる。



1920年代のアメリカの精神的混乱を、上流階級に属する若者たち《失われた世代》の生き方を通して描いた人間ドラマです。何かに憑かれたように狂騒的で刹那的な馬鹿騒ぎに興じる上流階級、貧しく抑圧され置き去りにされる低所得層。初めての世界戦争(第一次大戦)=塹壕のぬかるみや腐敗する骸、泥濘にまみれ大量の死者を量産する戦場を経験した世代の自暴自棄感を背景に描かれる、一人の男の愛と野望と喪失感が胸に迫ります。
デカプリオのリメイク版も6月公開されますが、予告編を見てもやはりこの「R・レッドフォード版」の方が映像的にもしっくりときます。

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『センチメンタル・アドベンチャー』 Honkytonk Man (1982・米)
監督/クリント・イーストウッド
脚本/クランシー・カーライル
製作/クリント・イーストウッド
製作総指揮/フリッツ・メインズ
音楽/スティーヴ・ドーフ
出演/クリント・イーストウッド、カイル・イーストウッド、ジョン・マッキンタイア、ヴァーナ・ブルーム エミー、マット・クラーク、アレクサ・ケニン、バリー・コービン

世界恐慌を背景に、中年歌手の姿を描いたロードムービー

歌と酒をこよなく愛するカントリー・シンガーのレッド(クリント・イーストウッド)はナッシュビルで開かれるC&Wの祭典“グランド・オールド・オープリー”のオーディションに誘われる。トラックに古ギターを積み、同行する事になった甥のホイット(カイル・イーストウッド)と共にレッドはナッシュビルを目指す……。



大恐慌時代を背景に、最後に一花咲かせようと旅に出るもう若くはないひとりの男の姿を描いたイーストウッド流ロード・ムービー。レッドを尊敬する甥(演じるは実の息子のカイル)の目を通して、この時代に生きた人々を哀感をこめて綴る作品で、優しさだけではない辛辣な視点もイーストウッドらしい切り口です。地味な題材だけにロードショー公開もされなかったけれど、監督イーストウッドを語る上では避けて通れない一本です。
『ブレイブ』 The Brave (1997・米)
監督/ジョニー・デップ
脚本/ポール・マクガドン、ジョニー・デップ、ディ・ピー・デップ
原作/グレゴリー・マクドナルド
製作総指揮/ジェレミー・トーマス
製作/チャールス・エヴァンス・ジュニア、キャロル・ケンプ
撮影/ヴィルコ・フィラチ
音楽/イギー・ポップ
出演/ジョニー・デップ、エルピディア・カリロ、マーロン・ブランド、 マーシャル・ベル、フレデリック・フォレスト、 クラレンス・ウィリアムス・サード、マックス・パーリッチ、 ルイス・ガスマン、コディ・ライトニング、 ニコル・マンセラ、フロイド・レッドクロウ・ウェスターマン、 イギー・ポップ

アメリカの片田舎で家族と貧しい生活を送る、ネイティブ・アメリカンのラファエル(ジョニー・デップ)。社会から冷遇され仕事に就くこともままならない彼は、過去に強盗などの犯罪に手を染め服役していたこともあった。
仕事を求めてあるビルを訪れた彼は、謎の男マッカーシー(マーロン・ブランド)に会う。ラファエルはマッカーシーに、【スナッフ・ムービー(実際に人が殺される様を撮影した映画)】へ出演し、拷問され殺される様を撮影することと引き換えに、5万ドルを払うという取引を持ちかけられる。
貧困に苦しむ家族のために、命を捨てる決意をしたラファエルはそれを受け入れ、3分の1の金を受け取って帰る。期限は1週間。残された時間を2人の子供フランキー(コディ・ライトニング)とマルタ(ニコル・マンセラ)、そして妻のリタ(エルピディア・カリロ)と共に生きようとする。



ジョニー・デップが監督・脚本・主演をこなしながら、真摯な演技をみせる作品です。
彼自身も曾祖母がネイティブ・アメリカンの血をひいているという出自から、社会に虐げられるネイティブ・アメリカンの問題を抉ってみせます。
マーロン・ブランドも、過去にアカデミー主演男優賞に選ばれたとき、「ハリウッドにおけるインディアンをはじめとした少数民族に対する人種差別への抗議」を理由に受賞を拒否するという、同じ主張を持ち、無償で出演しています。
痛々しく切ない愛の物語です。

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『我等の仲間』 La belle equipe (1936・仏)
監督/ジュリアン・デュヴィヴィエ
脚本/ジュリアン・デュヴィヴィエ、シャルル・スパーク
撮影/ジュール・クリュージェ
音楽/モーリス・ジョベール、モーリス・イヴェン
出演/ジャン・ギャバン、シャルル・ヴァネル、ヴィヴィアーヌ・ロマンス、レイモン・エイムス、シャルル・ドラ、ラファエル・メディナ、ミシュリーヌ・シェイエル、レイモン・コルディ

警察に追われている男、女房に逃げられた男、職にあぶれた男……、宝くじで10万フランを当てた5人の失業仲間たち。彼らは協力し、力を合わせて小川のほとりに「ベル・エキップ──我等の家──」と名付けた別荘で店を開こうとするが、事件や事故により一人ずつ仲間が減っていく。それでも彼らは、夢の実現に向けて邁進する。



素晴らしい友情に結ばれた男たち。ジャン・ギャバンの味わい深い渋い演技。シャルル・ヴァネルの絶妙なだらしない気の弱さ。その他の出演者も芸達者で、アンサンブルが心地良いです。人々が開店する店に向かう、ルノワールの絵画のようなシーンの瑞々しくのびやかな趣きが印象に残ります。
人生にはうまくいかないことや、やりきれないことがたくさんあるからこそ、夢へ向かって進むのだ、という人生賛歌です。

※Amazonウィジットに表示されているDVDには、ハッピー・エンド(海外公開)版と悲劇(本国)版の2種類が収録されており、2つのエンディングをマルチストーリー機能で観賞することができます。
『天井桟敷の人々』 Les enfants du Paradis (1945・仏)
監督/マルセル・カルネ
脚本/ジャック・プレヴェール
製作/フレッド・オラン
撮影/ロジェ・ユベール、マルク・フォサール
音楽/モーリス・ティリエ、ジョセフ・コズマ
出演/アルレッティ、ジャン=ルイ・バロー、ピエール・ブラッスール、マルセル・エラン、マリア・カザレス、ルイ・サルー、ピエール・ルノワール

1800年代(19世紀)のパリ、犯罪大通り。パントマイム役者バチストは、客寄せ口上の舞台から群衆の中に見かけたひとりの美女に、心を奪われる。
美女ガランスと彼女を取り巻く男性たちの物語。俳優フレデリック、貴族モントレー伯爵、パントマイム役者バチスト、悪漢ラスネールの運命に翻弄される人間模様を描く。

第二次世界大戦中、ナチス・ドイツの傀儡であるヴィシー政権下のフランスで製作された、占領を物ともせず自由を謳いあげた作品。製作期間3年3ヵ月、製作費16億円は、当時としては破格の規模。各国の映画評論家から高い評価を受けています。

登場人物それぞれの心情が心に沁み入ってくる切なさと、民衆の猥雑なエネルギーが交錯する魅力一杯の作品です。
故・池波正太郎先生が「戦前のパリの民衆は江戸の下町に気質が似ている」というような意味のエッセイを書いておられました。そうやって見ると、とてもすんなり人間模様が心に入ってきます。

           * * * * * * * * * * * * * *

『嘆きのテレーズ』 Therese Raquin (1952・仏)
監督/マルセル・カルネ
原作/エミール・ゾラ
脚本/マルセル・カルネ、シャルル・スパーク
撮影/ロジェ・ユベール
音楽/モーリス・ティリエ
出演/シモーヌ・シニョレ、ラフ・ヴァローネ、ローラン・ルザッフル、ジャック・デュビー、シルヴィー

フランス南西部のリヨンで洋裁店を経営する未亡人ラカン夫人と一人息子カミーユの家に嫁いだ孤児のテレーズは、常に満たされなかった。夫カミーユが病弱で、テレーズは姑にこき使われるただ働きの、店員兼看護婦同然だった。
ある日テレーズは、外出中に倒れた夫を家に担ぎこんだ屈強な男ロランに惹かれ、すぐに二人は駆け落ちを算段するほど親密になる。しかし事実を知ったラカン母子はパリの親戚の家にテレーズを軟禁して二人の仲を引き裂こうとする。
テレーズを取り返すために、ロランは車で彼女と夫が乗るパリ行きの列車を追う。

登場人物は皆、ささやかな利益を求めているだけなのに、ちょっとした自由や安定に手を伸ばしたあげく、破滅を引き寄せてしまうという哀しい人間ドラマが展開されます。
運命からは決して逃れられない、主人公のやり切れない人生。その葛藤と閉塞感がとてもよく伝わってくる、緻密な心理サスペンスです。
『長い灰色の線』 THE LONG GRAY LINE (1954・米)
監督/ジョン・フォード
脚本/エドワード・ホープ
撮影/チャールズ・ロートン・Jr
音楽/ジョージ・ダニング、モリス・W・ストロフ
出演/タイロン・パワー、モーリン・オハラ、ウォード・ボンド、ハリー・ケリーJr、ドナルド・クリスプ、ベッツィ・パルマー、ピーター・グレイブス、パトリック・ウェイン

陸軍士官学校の名教官として生き抜いた実在の男の半生を描く、巨匠ジョン・フォード監督が贈る感動作。
ウエストポイントの老助教マーティ・マーは、定年退職の勧告を不満として大統領に直訴する。そこで語られる、生徒たちとともにあった50年に渡る教官人生。
1903年。アイルランドから出稼ぎに渡米したマーティ(タイロン・パワー)はウェストポイントの給仕の仕事を得るが、体育教官のケーラー大尉(ワード・ボンド)に見出され体育助教となる。大尉の家の女中メアリー(モーリン・オハラ)と結婚し、ウェストポイントへの愛着もいや増していく。やがて、2人の間には子供が産まれるがすぐに死んでしまう。夫婦は生徒たちを我が子のように優しく、厳しく導いていく。多くの生徒が、彼の教えを受けて巣立っていくのだった。教え子にはマッカーサー、スティルウェル、ブラッドリー、ストライトマイア、ウェンライト、ヴァンフリート、アイゼンハウアなど、錚々たる面々が。



『陸軍士官学校版チップス先生さようなら』という感じ。頑固で愛すべき主人公と、アイリッシュ気質丸出しの父親たちの掛けあいも楽しい。生徒の不祥事に涙で処分を下したり、教え子の結婚に我が子のことのように喜んだり。戦死した教え子を偲び、いつの間にか主人公と一緒に悲しんでしまいます。笑いあり、涙ありの人生が描かれています。
この映画は反戦映画ではありませんが、直接戦争を描かずに、戦争の悲しさってものも描けるんですよね。
『静かなる男』 The Quiet Man (1952年・米)
監督/ジョン・フォード
脚本/フランク・S・ニュージェント
原作/モーリス・ウォルシュ
出演/ジョン・ウェイン、モーリン・オハラ、バリー・フィッツジェラルド、ヴィクター・マクラグレン、ワード・ボンド

 1920年代後半、アイルランドの片田舎にアメリカから帰ってきた長身の男、ショーン・ソーントン(ジョン・ウェイン)。ボクサーだった彼は引退して、生まれ故郷の村イニスフリーに住むことにしたのだ。
 のんびりとして牧歌的な村で、彼は美しい女性、メアリー=ケイト・ダナハーを見初める。しかし彼女の兄の乱暴者、ウィル・ダナハーが結婚に猛反対。神父や牧師たちの助力でなんとか結婚にこぎつけるが、へそを曲げたウィル・ダナハーは持参金を渡さない。
 「持参金なんて。君がいれば」と言うショーンにメアリー=ケイトは「仕来りを守って幸せになりたい。あなたは臆病者」と出て行ってしまう。二度と闘わないと決心を固めていたショーンだったが……。



 アイルランドの美しい田舎町を舞台に、アメリカから故郷に戻った傷心の物静かな男が、一目惚れした女性と結婚するために奮闘する姿を描いた作品。
 純朴で愉快な村人(でもひと癖あり)とのふれあいやウィットの効いた会話など、心あたたまる楽しい楽しい、可愛い可愛い、素晴らしいドラマです。
 古い映画ですが、そんな事が気にならないくらい楽しい映画です。
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