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Category : 歴史
提督の艦隊
ADMIRAL
提督の艦隊
監督/ロエル・レイネ
製作/クラース・デ・ヨンク
脚本/アレックス・ファン・ハーレン、ラース・ブーム
出演/フランク・ラマース、サネ・ランゲラール 、バリー・アトスマ、リーケ・ファン・レクスモンド、ルーラント・フェルンハウト、エグバート・ヤン・ウェーバー、ティゴ・ヘルナント、デレク・デ・リント、ヴィクトル・レーヴ、チャールズ・ダンス、ダニエル・ブロックルバンク、ルトガー・ハウアー
撮影/ロエル・レイネ
編集/ラドゥ・アイオン
音楽/トレヴァー・モリス
製作国/オランダ(2015年)
上映時間/105分



[あらすじ]16世紀。貿易で順調な国づくりを進めていたネーデルラント連邦共和国(オランダ共和国)だったが、イングランドが侵攻を開始し、第一次英蘭戦争が勃発する。オランダ海軍の艦長ミヒール・デ・ロイテルはトロンプ提督の指揮下でイングランドと戦うものの、提督は戦死、ミヒールは家族と暮らすために軍を退くことになっていたが、続く第二次英蘭戦争で彼は、オランダ艦隊の最高司令官に抜擢される。巧みな艦隊指揮でイングランド艦隊と交戦、勝利を収める。そんな中、決定的な敗北を負ったイングランドがフランスと手を組みオランダを攻撃してくる。心情はオラニエ公ウィレム五世を戴く王統派でありながら理想に燃える共和派の政治家デ・ウィットとも親交が深いミヒールは、オラニエ公の謀略によりデ・ウィットが民衆により処刑されると、家族を守るため自殺的な作戦を遂行しなければならなくなる。

[解説]17世紀に実在したオランダの英雄ミヒール・デ・ロイテル提督と、彼が率いたオランダ艦隊の闘いを描いた重厚な歴史ドラマ。敵味方の帆船が艦隊行動する海戦シーンも迫力の大スケールで一見の価値あり。デ・ウィットが民衆に処刑されるシーンは、押さえつけられて生きたまま解体されるなどエグイ。知略縦横で海を知り尽くした男ミヒール・デ・ロイテルは子煩悩な家庭人。情に厚く、曲がったことが嫌いで懐が深いところが魅力的なリーダー像。こういう上司が欲しいかも。
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新・三銃士/華麗なる勇者の冒険

『新・三銃士/華麗なる勇者の冒険』 The Return Of The Masketeers (1979英/仏/西)
監督/リチャード・レスター
脚本/ジョージ・マクドナルド・フレイザー
原作/アレクサンドル・デュマ・ペール 『二十年後』
製作/ピエール・スペングラー
製作総指揮/ウェイン・ドリズィン、マリオ・ソテラ
音楽/ジャン=クロード・プティ
撮影/ベルナール・リュティック
編集/ジョン・ヴィクター=スミス
出演/マイケル・ヨーク、オリヴァー・リード、フランク・フィンレー、リチャード・チェンバレン、C・トーマス・ハウエル、ジェラルディン・チャップリン、キム・キャトラル、フィリップ・ノワレ、クリストファー・リー、ロイ・キニア、エウセビオ・ラザロ、アラン・ハワード、デビッド・バーキン、ビル・パターソン、ジャン=ピエール・カッセル

豪華出演陣・豪華スタッフで贈る驚異のアクション・アドベンチャー巨編!

枢機卿マザラン(フィリップ・ノワレ)と皇太后アンヌ(ジェラルディン・チャップリン)は愛人関係にあり二人でフランスを支配しようとして対立するフロンド党の党首ボーフォール公(エウセビオ・ラザロ)を監禁していた。マザランはフロンド党抑圧ため、妖婦ミレディー事件を解散した三銃士を20年ぶりに再結集しようとダルタニャン(マイケル・ヨーク)に指令を出した。
マザランは格好をつけて皇太后に多額の金貨を持たせたと言うが、ダルタニャンが実際に受け取ったのは少量の銀貨だった。とにかくダルタニャンは、相変わらず人妻を連れ込んで色事師ぶりを発揮しているアラミス(リチャード・チェンバレン)を訪れるが、マザランは気に入らないと断られてしまう。次に財産家の女と結婚したポルトス(フランク・フィンレー)。成り上がり者とバカにされていたポルトスは男爵の称号を貰うチャンスと聞いて参加する。最後は相変わらず酔っ払って荒くれぶりを発揮しているアトス(オリバー・リード)。学者肌の息子ラウル(C.トーマス・ハウエル)とは、えらい違いだ。だが、アトスもフロンド党抑圧は不名誉な仕事と引き受けない。
そんな折、妖婦ミレディーを四銃士の命令で処刑した首切り役人が黒衣の人間に殺された。通りかかったラウルが犯人をを追い斬り合いになるが、相手が女と驚いた隙に負けてしまう。女はミレディーの娘ジャスティン(キム・キャトラル)。母の敵討ちを企んでいるのだが、跡継ぎまで殺す気はないとラウルを見逃す。一方、ダルタニャンとポルトスは、脱獄したボーフォール公の追跡を命じられる。二人はボーフォール公の乗った馬車に追いつき飛び移るが、一味の中にはアトスとアラミスがいた。結局、ボーフォール公に逃げられたダルタニャンとポルトスはクビになってしまう。
そんな時、イギリスのチャールズ国王(ビル・パターソン)処刑決定の報が伝わり、親戚筋にある皇太后アンヌは救出を計画。再びダルタニャンたちが指令を受け、今度はアトス親子も同行する。
一方、マザランの台頭で立場の悪くなったロシュフォール(クリストファー・リー)は、自分とミレディーとの娘であるジャスティンを頼って、行動を共にしていた。イギリスに到着したダルタニャンたちは処刑人を誘拐して処刑を延期させて時間を稼ぎ、夜になったら国王を救出する計画を立てる。国王の処刑人など誰もが恐れて簡単に代役が見つかるはずはなかっのだが、ジャスティンが引き受け、瞬く間に国王を処刑してしまう。任務は失敗、ジャスティンにも逃げられ意気消沈のダルタニヤンたちは船に潜りこみフランスを目指すが、その船にはジャスティンたちもいて船ごと爆破する計画をたてていた。爆薬に火を仕掛けボートで逃げようとするジャスティンとロシュフォール、気づいたダルタニャンたちはジャスティンを縛りボートを奪って脱出。ロシュフォールは爆発を止めようとして失敗し命を落とすが、ジャスティンは生き残っていた。
[ネタバレ反転]
フランスでは反マザランを唱える国民が暴動寸前の状況、マザランは国王ルイ14世(デビッド・バーキン)を自分の城へと連れ去ってしまう。ジャスティンの手引きで馬車をとばすマザランたち。それに気づいたダルタニャンたちは気球でマザランの城に乗り込む。四銃士+ラウル対警備兵の戦いになるが形勢不利となったジャスティンは堀に飛び込んで逃げてしまう。マザランも逃げ出そうとするが行く手をさえぎったのはアラミス。アトスとともにマザランを脅してフロンド党の要求を呑ませ、ついでにポルトスを男爵にアラミスを司祭にさせる。再び集まった四銃士は、暴動を納めるため、馬をとばすのだった。



『三銃士』『四銃士』2部作から15年を経て製作された三作目。原作の第2部『20年後』を、前作と同様の豪華キャストで、同じくリチャード・レスターが監督しました。前回は文庫本2冊の原作を2部作で映画化したので、ストーリー的にはこれまでの映画化された中で最も忠実な作品でしたが、今回は文庫本3冊の第2部を100分弱でまとめたため、かなりのダイジェスト版になっています。リチャード・レスター監督らしいユーモラスな演出は健在で、悪役となるミレディーの息子モードントを、娘ジャスティンと変えてアトスの息子ラウルとの恋物語まで描いています。そのほか変更点は、『四銃士』で壮絶な死を遂げた悪役のロシュフォール(クリストファー・リー)は、投獄の後釈放されたという設定になっています。前2作に比べるとエネルギーは少々落ちますが、それでもけっこう楽しめる娯楽作となっています。

※VTR廃盤/未DVD化
四銃士

『四銃士』
The Four Musketeers (1975・英)
配給/20世紀フォックス
監督/リチャード・レスター
脚本/ジョージ・マクドナルド・フレイザー
原作/アレクサンドル・デュマ・ペール
製作/アレクサンドル・サルキンド
製作総指揮/イリヤ・サルキンド
音楽/ラロ・シフリン
撮影/デヴィッド・ワトキン
編集/ジョン・ヴィクター・スミス
出演/オリヴァー・リード、フランク・フィンレー、リチャード・チェンバレン、マイケル・ヨーク、ジョルジュ・ウィルソン、ジェラルディン・チャップリン、ラクエル・ウェルチ、チャールトン・ヘストン、クリストファー・リー、フェイ・ダナウェイ、ジャン=ピエール・カッセル、スパイク・ミリガン、ロイ・キニアー、サイモン・ワード、シビル・ダニング

痛快なアクションは四銃士の大活躍で、いよいよクライマックスへ──
映画の面白さのすべてを結集し、豪華スターを集めて贈る大ヒット作・後編!


国王軍とラ・ロシェルの反乱軍との戦いのさなか、リシュリュー枢機卿(チャールトン・ヘストン)は銃殺刑にされかけたものの、脱出に成功したロシュフォール伯爵(クリストファー・リー)に、コンスタンス・ボナシュウ(ラクエル・ウェルチ)を誘拐するように命じる。
また、ダルタニャン(マイケル・ヨーク)への復讐の炎を燃やすミレディー(フェイ・ダナウェイ)は、彼を誘惑して暗殺を企てるが失敗する。ダルタニャンは、かつてミレディーがアトス(オリヴァー・リード)と恋愛関係にあり、犯罪歴があるのを知られて、アトスに殺されかけたことを知る。
アトス、ポルトス(フランク・フィンレー)、アラミス(リチャード・チェンバレン)は、サンクルーに囚われていたコンスタンスを助け出し、アルメンティエールの修道院にかくまう。方やミレディーは、ダルタニャンに毒入りのぶどう酒と、三銃士が禁足処分を食ったと言う嘘の手紙を送りつける。
ダルタニャンが3人を保釈しに行こうとしたところに、ロシュフォールと手下が襲いかかり、そこへ三銃士も加わって乱闘となり、捕まった手下の一人が、リシュリュー枢機卿がドーブ・コット・インに行く予定だとばらした後、その毒入りぶどう酒を飲んで息絶える。
アトスはリシュリューの偵察に行き、枢機卿が、イングランドが噛んでいるらしいラ・ロシェルへの援軍をバッキンガム公爵(サイモン・ワード)が寄越さないように、アンヌ王妃(ジェラルディン・チャップリン)との関係を盾にゆさぶること、もし応じない時は暗殺することを命じる。ミレディーは見返りとして、自分の行為を正当化する証明書を枢機卿に書かせる。
しかしながら、その後アトスがミレディーから書類を奪い取り、ダルタニャンに、枢機卿の陰謀を伝えたため、ダルタニャンは従卒のプランシェ(ロイ・キニアー)をイングランドに派遣して、バッキンガム公爵に注意を促そうとする。一方イングランドでは、援軍中止を拒否されたミレディーが、暗殺を謀ろうとするも捕えられ、ロンドン塔に監禁されるが、ミレディーはここでも公爵の部下フェルトンを誘惑し、公爵を殺すようそそのかす。フェルトンは彼女を逃がした後、プランシェが到着する前に、バッキンガム公爵を殺害する。ラ・ロシェルが陥落したのはそれから間もなくだった。
[ネタバレ反転]
ロシュフォールとミレディーは、アルメンティエールの修道院に乗り込み、そこに到着した四銃士と激しく闘う。ロシュフォールと配下の者が、銃士たちを追い詰めている間、ミレディーはコンスタンスを絞め殺すものの、ついにアトスにつかまり、ダルタニャンはロシュフォールとの死闘のすえ、相手を斃す。ミレディーは四銃士から首切りの判決を言い渡され、刑がとりおこなわれた直後、彼らは枢機卿の護衛隊に逮捕される。
リシュリューは、大事な配下の者を2人失ったことで、ダルタニャンを告発するが、ダルタニャンは枢機卿の署名入りの証明書を見せ、自分の行為が法的に正しいものであると主張する。枢機卿は自らの完敗を悟り、またダルタニャンの行為に感心して、彼と、彼の3人の友人の中から1人を将校に任じることにする。アトス、ポルトス、アラミスがそれぞれ辞退したため、ダルタニャンが銃士隊の隊長補佐に昇任するのだった。




前作『三銃士』よりも冒険色が濃く、クライマックスの剣戟シーンも迫力充分です。前作に引き続き悪女ミレディーに扮して怪演を見せるF・ダナウェイも圧巻。チャールトン・ヘストン(枢機卿)やクリストファー・リー(奸臣)も、楽しそうに「ワル」を演じています。アトスとミレディーの過去が明らかになったり、陰謀が苛烈になってどんどん主要人物が死んだりと、ドラマチックな内容になっています。中でも、教会を舞台にしたダルタニャンVSロシュフォールの一騎打ちは「息も絶え絶えの」リアリズム剣戟が緊迫して、手に汗を握る迫力です。
三銃士

『三銃士』 The Three Musketeers (1973・英/米)
配給/20世紀フォックス
監督/リチャード・レスター
脚本/ジョージ・マクドナルド・フレイザー
原作/アレクサンドル・デュマ・ペール
製作/アレクサンドル・サルキンド
製作総指揮/イリヤ・サルキンド
音楽/ミシェル・ルグラン
撮影/デヴィッド・ワトキンス
編集/ジョン・ヴィクター=スミス
出演/オリヴァー・リード、フランク・フィンレー、リチャード・チェンバレン、マイケル・ヨーク、ジョルジュ・ウィルソン、ジェラルディン・チャップリン、ラクエル・ウェルチ、チャールトン・ヘストン、クリストファー・リー、フェイ・ダナウェイ、ジャン=ピエール・カッセル、スパイク・ミリガン、ロイ・キニアー、サイモン・ワード

エネルギッシュで猥雑な生命力に溢れた痛快作!

青年ダルタニャン(マイケル・ヨーク)は、国王の近衛銃士となるべく、トレヴィル銃士隊隊長(ジョルジュ・ウィルソン)を頼ってパリに到着したが、パリに慣れないため、多くのミスをしでかし、当の近衛銃士であるアトス(オリヴァー・リード)、ポルトス(フランク・フィンレー)、アラミス(リチャード・チェンバレン)の3人と決闘をする羽目になった。
その決闘のさなかに、かねてより銃士隊とは仲の悪いリシュリュー枢機卿の護衛隊が通りがかり、隊長ジュサックが銃士たちを罵り対決を迫った。ダルタニヤンは、多勢に無勢で不利な銃士3人の加勢をすることになる。リシュリューの護衛隊に立ち向かった功を認められ、ダルタニャンは銃士と行動を共にすることを許された。
リシュリュー枢機卿(チャールトン・ヘストン)は、国王をもしのぐ権力を、剣と奸知に長けた腹心のロシュフォール伯爵(クリストファー・リー)を暗躍させて、さらに大きくしようと言う野望を抱いていた。一方でダルタニャンは、魅力的なコンスタンス・ボナシュウ(ラクエル・ウェルチ)、枢機卿のスパイである情熱的なレディ・ド・ウィンター[ミレディー](フェイ・ダナウェイ)の2人と色恋沙汰に陥る。
一方で、アンヌ王妃(ジェラルディン・チャップリン)のかつての恋人であるバッキンガム公爵(サイモン・ワード)が、ひょっこりフランスに現れ、「あなたの思い出となるものをいただきたい」、と王妃に言う。王妃はダイヤモンドのネックレスを公爵に贈る。
この密会を知ったリシュリュー枢機卿は、王妃に舞踏会でダイヤのネックレスを着けさせるよう国王に迫り、ミレディーをイングランドの公爵のもとに送って、ネックレスを盗ませる。ミレディーは公爵をたらし込み、ネックレスから2個のダイヤを盗む。
[ネタバレ反転]
銃士たちはネックレスを取り戻そうとするが、枢機卿の邪魔立てに遭う。しかし、ダルタニャンが、2個のダイヤを新たに加えたネックレスを公爵より取り戻し、王妃を危機から救い出す。ダルタニャンは正式に近衛銃士となった。



「リチャード・レスター監督の『三銃士』は、かなりの部分を剣闘に割いており、楽しさを重視していて、観客は、巧妙で、長く続く決闘シーンを見終わった後に、感銘を受けるであろう。誇張されたところが多いが、楽しめる作品である」と、ニューヨーク・タイムズに映画評論家ヴィンセント・キャンビーが書いています。原作にかなり忠実な映画で、ユーモアもふんだんに織り込まれています。中世の細かな生活や風俗も取り入れられていて、とても猥雑な世界です。昔のお上品な剣戟映画とは違い、戦いのシーンでは剣だけではなく、ぶん殴ったり膝蹴りをしたり、そこいらの物で殴ったりと、非常に泥臭くもズッコケた愉快な戦いが繰り広げられます。元々は3時間の脚本を二つに分けて、続く『四銃士』と同時に撮影されました。なので、こちらは導入部。クライマックスなどの美味しいシーンは『四銃士』の方です。二作、いや1984年の続編もあわせてリチャード・レスター監督の『三銃士』三部作は、エネルギッシュで猥雑な生命力に溢れていて、とても好きな作品です。

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『天国の門』 Heaven's Gate (1980・米)
配給/ユナイテッド・アーティスツ
監督/マイケル・チミノ
脚本/マイケル・チミノ
製作/ジョアン・ケアリ
製作総指揮/デニス・オディール、チャールズ・オークン、ウィリアム・H・レイノルズ
音楽/デヴィッド・マンスフィールド
撮影/ヴィルモス・ジグモンド
編集/リサ・フラックマン、ジェラルド・B・グリーンバーグ、ウィリアム・H・レイノルズ、トム・ロルフ
出演/クリス・クリストファーソン、クリストファー・ウォーケン、ジョン・ハート、イザベル・ユペール、ジェフ・ブリッジス、サム・ウォーターストン、ブラッド・ドゥーリフ、ジョセフ・コットン、ジェフリー・ルイス、リチャード・メイサー、テリー・オクィン、ミッキー・ローク、ウィレム・デフォー、ジョン・コンレイ、ポール・コスロ、トム・ヌーナン、ロニー・ホーキンス、キャロライン・カヴァ、マディ・カプラン、アンナ・レヴィン、ロビン・バートレット、ロージー・ヴェラ

アメリカ映画史を揺り動かしたマイケル・チミノ監督が描く衝撃の問題作。

1870年、東部の名門ハーバード大学の卒業式。総長の祝辞を熱い視線でみつめる生徒たちの中にジェームズ・エイブリル(クリス・クリストファーソン)とビル・アーバイン(ジョン・ハート)の顔があった。それから20年、アメリカは混乱期を迎えており、ワイオミングにも、東ヨーロッパからの移民たちが押し寄せ、すでに生活を築いていたアングロ・サクソン系の人々とのトラブルは避けられなかった。
ある日、家畜業者協会の評議会が召集され、リーダーのフランク・カントン(サム・ウォーターストン)は、移民による牛泥棒の対策として武力による移民粛清の議案を提出した。なんとその人数は125名。その会議にはアーバインも列席していたが、彼はかつての情熱を失い、今は酒びたりの堕落した生活を送っていた。この土地に保安官としてやってきたエイブリルは、再会したアーバインから、粛清の計画を聞き、なんとか阻止しようと、移民の集まる酒場の主人ジョン・L・ブリッジス(ジェフ・ブリッジス)に協力を求めた。そしてエイブリルは、想いを寄せる娼館ホッグ・ランチの女主人エラ・ワトソン(イザベル・ユペール)のもとへ行く。
彼女を愛しているもう1人の男ネイト・チャンピオン(クリストファー・ウォーケン)は、牧場主に雇われた殺し屋だ。エイブリルとチャンピオンの愛の間でゆれ動くエラ。ジョンンン郡に移民1人殺し値50ドルで雇われた庸兵たちが向かっている頃、移民たちの憩いの場のローラー・スケート場天国の門では、集まった人々に、エイブリルが例の粛清の件を告げリストを読み上げた。
むごい仕打ちにおののく人々。一方、チャンピオンから求婚されたエラは、彼の家族に紹介され、その誠意に心うごかされるが、その日、ホッグ・ランチに戻ったエラはレイプされ、店の女たちは全員惨殺された。カントンの傭兵による仕業だった。集会所「天国の門」では、移民たちの集会が再び開かれ、人々はそこで団結の絆を固める。その頃、チャンピオンの家が傭兵に襲われ「エラを頼む」という手紙を残して、彼は死んでゆく。
[ネタバレ反転]
遂に戦いは開始された。予期せぬ移民たちの逆襲で庸兵たちは倒れてゆく。かけつけた州兵騎馬隊たちによって平定された時は、あたりは死体の山と化していた。新しい出発を誓い合うエイブリルとエラ。しかし、喜びに満ちたエラが、生き残っていたカントン一味に惨殺されるという悲劇が突然襲う。
数十年後、今はヨットの上で安定した生活を送っている年老いたエイブリル。しかし、ヨットの上で彼が想うことは若き闘志に燃えた頃の自分、それにネイト、エラのことだった。




西部開拓史上にその悪名を残すワイオミング州の「ジョンソン郡戦争」をテーマに、ロシア・東欧系移民の悲劇、極限状況に置かれた人々の愛と友情、哀しみを描く作品。マイケル・チミノ監督の意欲作であり、公開当時その巨額の製作費で様々な物議を醸した問題作でもあります。
当初の制作費は1100万ドル(約20億円)でしたが、完成していた大通りのセットが「馬が通れないから」との理由で改築させたり、ほんの一部しか映らない機関車のシーンのために、当時の実際の機関車を線路を引いて走らせたり、更にはエキストラを大幅に増やしたり、撮影では撮り直しを繰り返すなどのため制作費を大幅にオーバーし、予算は4400万ドル(約80億円)にまで膨れ上がりました。その上、アメリカ人の神経を逆撫でするようなテーマに対するマスコミの酷評などが祟り、映画は全くヒットせず1週間で興行を打ち切られ、莫大な赤字を出しました。制作会社ユナイテッド・アーティスツは倒産においこまれ、監督のマイケル・チミノはしばらく干されました。
それでも、絵画のように美しい画面や美術、壮大な物語構成、実力派俳優たちの真摯な演技など素晴らしいところも多くて、たまに見たくなる作品です。ただし、見るには体力と精神力がいります。

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『隊長ブーリバ』 Taras Bulba (1962・米)
監督/J・リー・トンプソン
脚本/ウォルド・ソルト、カール・タンバーグ
原作/ニコライ・ゴーゴリ
製作/ハロルド・ヘクト
音楽/フランツ・ワックスマン
撮影/ジョセフ・マクドナルド
編集/エダ・ウォーレン
出演者/ユル・ブリンナー、トニー・カーティス、クリスティーネ・カウフマン、サム・ワナメーカー、ガイ・ロルフ、ブラッド・デクスター、ペリー・ロペス、ジョージ・マクレディ、イルカ・ウィンディッシュ、ウラジミール・ソコロフ、エイブラハム・ソファー、ダニエル・オッコ

草原(ステップ)の覇者、ブーリバ隊長の英雄伝。人馬の大群が画面を埋め尽くす!
名優ユル・ブリンナー、トニー・カーティス、クリスティーネ・カウフマン共演


多くの種族が大草原ウクライナを手に入れようとして4千年にわたって戦い、消えていった……。16世紀初頭、オスマン帝国が勢力を拡大してヨーロッパに迫っていた。これに危機感を抱いたポーランド王国のグリゴリー王子(ガイ・ロルフ)は、タラス・ブーリバ隊長(ユル・ブリンナー)率いるウクライナ・コサックに「自分たちに協力してトルコ軍を撃退すれば、ウクライナのステップを与える」という約束をして援軍を頼み、ブーリバたちはこれに応えてトルコ軍を撃退した。
しかしその約束は反故にされ、ブーリバたちは土地を追われる事になってしまう。怒ったブーリバたちは、グリゴリー王子の片腕を切り落として逃亡、山岳地帯に逃げ込み、時が来るまで隠れて力を貯えることにした。
年月が経ち、ブーリバにアンドレー(トニー・カーティス)、オスタップ(ペリー・ロペツ)の息子が生まれた。乗馬、剣を覚えた兄弟は「ポーランドに勝つためにポーランドを知れ」と父親の説得でキエフの大学に留学した。アンドレーはそこでポーランド貴族の娘ナタリア(クリスティーネ・カウフマン)と出会い、恋に落ちるが、汚らわしいコサックに誘惑されたと激怒したナタリアの兄は、仲間とともにアンドレーにリンチを加えようとして逆に兄弟に倒された。兄弟はキエフを脱走し、ナタリアは父の命でデュブノー城にやらされた。
[ネタバレ反転]
帰って来た息子のためにブーリバが開いていた祝宴の席に、ポーランド王からバルトと戦うための召集が掛かる。彼らはこの機会に、自分たちの土地を取り戻す決意をする。ブーリバたちはポーランド軍が本拠としているデュブノー城に合流すると見せかけて、急襲を掛けて攻め込んだ。デュブノー城の指揮官はグリゴリー王子だった。
不意を付かれたポーランド軍は籠城するが、食糧不足とペストの流行で城内の人々は苦しむ。城壁にナタリアを見たアンドレは、ナタリアに会うためにデュブノー城に侵入するが捕まってしまう。ナタリアが火刑を宣告された時アンドレーは食用牛の囲い場所を王子に教えて彼女を救ったが、案内役をつとめる我が子を見たブーリバは「大草原を愛するようにお前を愛していた」と叫んで短銃の狙いをつけた。
ポーランド軍は全滅し、ウクライナ大平原は自由の土地となった。ブーリバは、息子の死によってもたらされた勝利と平和を、感慨深く味わうのだった。




ゴーゴリの原作を元にした、愛と誇りと騎馬戦争を描いた文芸スペクタクル・ロマンです。名優ユル・ブリンナーの存在感と若きスター、トニー・テーティスの躍動感が画面に生き生きとした息吹を吹き込んでいます。そして忘れちゃいけないのが、クリスティーネ・カウフマンの天使のような可憐さですよ、皆さん。本作はハリウッド映画らしく単純化されていますが、当時の東欧の情勢は勢力を伸ばしたいポーランドと隷属化を望まぬ軍事的に強大な力を誇った集団であるコサックの関係、ウクライナを巡るポーランド、オスマン・トルコ、リトアニアなどとの地勢学的な争い、ギリシャ正教とカソリックの対立など、様々な要因が重なり合った複雑な情勢でした。まあ、なんといっても一番の脅威がオスマン・トルコ帝国なのは間違いありません。この頃の東欧諸国の戦乱時代は、ルーマニアを舞台にした『ドラキュラ』の元となったワラキアの救国の英雄、ワラキア公ヴラド3世の時代から100年後くらいの話ですが、状況はそれほど変わっていませんね。また、そういった知識がちょっとでもあると、こういう歴史スペクタクルも数倍楽しめます。気になったら、軽い読み物程度の歴史本でも読んでおくといいかもしれません。

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『カーツーム』 Khartoum (1966・米)
監督/バジル・ディアデン
アクション監督/ヤキマ・カナット
脚本/ロバート・アードリー
製作/ジュリアン・ブロースタイン
撮影/テッド・スケイフ、ハリー・ワックスマン
美術/ジョン・ハウエル
音楽/フランク・コーデル
出演/チャールトン・ヘストン、ローレンス・オリヴィエ、リチャード・ジョンソン、ラルフ・リチャードソン、アレクサンダー・ノックス、ジョニー・セッカ、ナイジェル・グリーン、マイケル・ホーダーン、ヒュー・ウィリアムズ

チャールトン・へストン、ローレンス・オリヴィエの対決!
カーツームの攻防を描く大スペクタクル


1883年、スーダンでイギリスの将軍と彼の部下1万のエジプト兵が殺された。殺戮者の名はマフディ(ローレンス・オリビエ)。狂信的な回教徒のリーダーで、民族の自由の名のもとに、反乱を起こしている男だった。当時、スーダンを支配していたのはエジプトであり、そのエジプトを統治していたのはイギリス。困惑したイギリス首相グラッドストンは、穏便に解決するため、チャールズ・ゴードン将軍(チャールトン・ヘストン)に白羽の矢をたてた。彼は過去6年間スーダンに住み、奴隷売買の撤廃に尽力した国民的英雄であり、かつて中国でも内乱鎮圧に目ざましい才腕をみせた男である。そして彼の補佐役としてスチュワート大佐(リチャード・ジョンソン)が選ばれた。
任地到着そうそう、ゴードンはマフディと会見したが、和解の糸はみつからなかったばかりか、マフディの殺戮は、ますます激しくなった。首都カーツームを死守しようとするゴードンのやり方に不満を抱く者もでてきた。しかし、ゴードンの人間味を理解しはじめたスチュワートは首相を説得、ウォルスリー将軍と7000の兵士がカーツームへ派遣されることになった。だが彼らの目的が、ゴードンの救出にあって、カーツーム防衛でないことを知ったスチュワートは、彼に撤退を請願した。しかしゴードンは、町の人たちを一刻も早く安全地帯へ退去させるよう、命令し自分はとどまった。しかし避難民一行は、マフディの奇襲作戦に会い消息を断った。
[ネタバレ反転]
カーツームは死都と化した。その頃、ゴードンとマフディは2度目の会見をした。この時、両雄の間には、敵意の代わりに、英雄のみが持つ不思議な共感が交流した。勝利を確信しているマフディは、ゴードンに退去を勧めたが無駄だった。交渉は決裂。マフディの総攻撃が再開された。飢えに苦しむ部下を率いて、先頭にたったゴードンの胸に、「彼を殺すな!」というマフディの命令もむなしく、矢が突きたった。ゴードンの部隊は全滅した。2日後、ウォルスリーの救援隊が到着し、カーツームは再びイギリスの手に帰った。



太平天国の乱の鎮圧に功績を挙げ、「シナのゴードン」と讃えられた英雄ゴードン将軍を描く歴史スペクタクルです。60年代には『アラビアのロレンス』『ズール戦争』『北京の55日』など、植民地戦争を題材にした映画が盛んに作られました。互いに認め合う、異文化を背景にした敵同士の姿にシビレます。人間性豊かなゴードン将軍をC・ヘストンが好演、好敵手のL・オリヴィエとの演技合戦が楽しめます。映画自体はちょっと冗長で、根気が必要かも。

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『北京の55日』 55 Days at Peking (1963・米)
監督/ニコラス・レイ
脚本/フィリップ・ヨーダン、バーナード・ゴードン、ロバート・ハマー、ベン・バーツマン
製作/サミュエル・ブロンストン
音楽/ディミトリ・ティオムキン
撮影/ジャック・ヒルデヤード
編集/ロバート・ローレンス
出演/チャールトン・ヘストン、エヴァ・ガードナー、デイヴィッド・ニーヴン、フローラ・ロブソン、ジョン・アイアランド、ハリー・アンドリュース、レオ・ゲン、ロバート・ヘルプマン、カート・カズナー、伊丹十三

世界を震撼させた55日間の死闘!史上最高のスペクタクル・アクション!

1900年の初夏、山東省に蜂起した義和団は清国に進出した西欧勢力とキリスト教徒を本土から追放しようと勢力を増し、北京城の外国人たちの不安は高まった。この頃ルイス少佐(チャールトン・ヘストン)の米海兵隊が北京城に派遣された。秘密に包まれた紫禁城の奥で、清朝の西太后(フローラ・ロブソン)が側近の端郡王(ロバート・ヘルプマン)と寵臣栄緑将軍(レオ・ゲン)たちの密議中で義和団の力を利用して外国勢力を一挙に国外へ追放することを決め、義和団を蔭で後援することにした。
ルイスは英国大使ロバートソン卿(デイヴィッド・ニーヴン)の主催する舞踏会でロシア男爵未亡人ナタリー(エヴァ・ガードナー)に会い、2人は強くひかれあった。だが、ロシアに帰らねばならないナタリーが旅支度をしている時情勢が急変した。ドイツ公使が路上で義和団たちに殺されたのだ。この現場を偶然ホテルから見たルイス少佐は、その指揮官端郡王を西太后に報告し抗議したが、逆に彼女は各国外交団の北京城退去を警告した。
この日、義和団の外国人居住地に対する攻撃が開始され、ナタリーも篭城を余儀なくされた。11ヵ国の外国人たちは一体となって防衛した。ナタリーも野戦病院の看護婦として働くことを惜しまなかった。少佐は天津の救援軍へ連絡のため北京城を脱出したが失敗、城へ帰るため敵中を潜行する。
[ネタバレ反転]
やっと帰りついたルイス少佐は、ナタリーの死を聞き悲しんだが防衛戦に奮闘する。火炎瓶作戦などで少数の連合軍は55日間の篭城に耐えた。そして砲煙の間から救援の軍が姿を現し城内の外国人たちは救われた。
新しい任地に出発するルイス少佐は、この戦いで孤児になった混血娘を連れて思い出深い北京城を後にした。




ハリウッドお得意の歴史スペクタクル大作です。アメリカ映画なので欧米人側から描かれており、アメリカ人ルイス少佐を中心とした西洋人が活躍しますが、実際の義和団の乱鎮圧においては、距離的に近かった日本とロシアが主力で、中でも日本軍の活躍は素晴らしかったそうです。豪華絢爛な舞踏会や中国王宮の謀略、義和団が攻めてきてからの防衛戦などが大スケールで描かれています。

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『アラン・ドロンのゾロ』
Zorro (1975・伊/仏)
監督/ドゥッチオ・テッサリ
脚本/ジョルジオ・アルロリオ
製作/ルチアーノ・マルチーノ
原作/ジョンストン・マッカレー
音楽/グイド&マウリツィオ・デ・アンジェリス
撮影/ジュリオ・アルボニコ
出演/アラン・ドロン、オッタヴィア・ピッコロ、スタンリー・ベイカー、エンツォ・セルシコ、ムスタシュ、ジャコモ・ロッシ=スチュアート、ジャンピエロ・アルベルティーニ、マリノ・マッセ、アドリアーナ・アスティ

人気最高ドロンが全世界をわかせたヒーローに挑んで放つ
剣と愛のロマン・スペクタクル大作!


剣の達人ドン・ディエゴ(アラン・ドロン)は故郷スペインに帰る途中、南米カルタヘナの港町で旧友のミゲルに会った。ミゲルはニュー・アラゴンの新総督に任じられ、妻子を伴って任地に赴く途中だった。再会を喜び、祝福の杯を交わした夜、ミゲルは何者かに暗殺されてしまった。ディエゴは親友ミゲルの死を厚く弔い、復讐を誓ってニュー・アラゴンへ行く決心をした。
メキシコ領ニュー・アラゴンは、前総督亡きあと、護衛兵隊長ウエルタ大佐(スタンリー・ベイカー)が軍隊を率いて圧政、横暴の限りをつくしていた。総督になりすましたディエゴは、敵をあざむくために臆病者の伊達男を見事に演じ、口が不自由ではあるが忠実な従僕ベルナルドを伴って貧民街に情報収集に出かけた。人々は何かにおびえ、口を閉ざしていたが黒人の少年が、弱者の救世主・黒い狐の精霊ゾロの話をしてくれた。町ではウエルタと結託した悪徳判事によるインチキ裁判が日常茶飯事のごとく行われていた。そのとき、群衆のなかから貧しい身なりだが、世にも希な美女が現われ、不当な裁判に抗議していた。政治的陰謀の罪で財産を没収された貴族の娘オルテンシア(オッタヴィア・ピッコロ)である。おりしも、正義を説く修道僧フランシスコ(ジャンピエロ・アルベルティーニ)が鞭打ちの刑に処せられていた。
突然、黒馬、黒装束、黒覆面の騎士が現われた。鞭できざむZの文字もあざやかに、兵隊たちをさんざんいためつけるといずこともなく去っていった。こうして黒騎士ゾロはたちまち民衆の英雄となっていった。その頃、オルテンシアは、自分に執着するウエルタが強引に唇を奪おうと迫ったある夜、闇の中から音もなく現われて窮地を救ってくれたゾロに、甘い恋心を抱きはじめていた。いっぽう、権謀術数を弄した計画が、次々とゾロによって破られるウエルタは、ひしひしと迫る黒マントの脅威に悪らつな計画をもって対せんとしていた。オルテンシアを牢獄に入れ、ゾロをおびき出そうというのだ。しかし、この計画もゾロの奇襲によって水泡に帰した。
[ネタバレ反転]
やがて、ウエルタの命令でニュー・アラゴン全土に戒厳令がしかれた。そこでディエゴは、二役をこなしてゾロが総督を人質にしたかのごとくふるまい追ってから逃れようとする。だが幾千の兵隊がゾロを次第に包囲し、ゾロと総督を乗せた馬車は絶壁から大海原へと墜落した。
勝ち誇るウエルタは、権力を利用してオルテンシアとの結婚式を挙げようとしていた。しかし、その教会にゾロが姿を現わした。いよいよ宿命の対決の時がきたのだ。ゾロとウエルタの息ずまる死闘が続いた。最後の瞬間、ゾロは黒覆面をとってドン・ディエゴにもどった。そして互いの剣が一閃、ウエルタはゾロの鋭い刀のもとに倒れた。ニュー・アラゴンに正義と平等が戻り、ゾロは愛馬を駆って草原の彼方に消えていった。



VTR発売時の予告

ジョンストン・マッカレーの小説『怪傑ゾロ』を原作にした、俳優アラン・ドロンの主演第50作記念作品です。案外とヒーロー役を演じていないアラン・ドロンですが、定番のヒーロー劇を見事に演じています。陽気な音楽にコミカルな演出、アクションも爽快、ロマンスもたっぷりの楽しい作品です。珍しい三枚目のアラン・ドロンが見られます。何より映画史に残る十数分のクライマックスの剣戟シーンは、手に汗を握り見入ってしまいます。

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『SOSタイタニック/忘れえぬ夜』 A Night to Remember (1958・英)
監督/ロイ・ウォード・ベイカー
脚色/エリック・アンブラー
原作/ウォルター・ロード
製作/アーサー・ランク
撮影/ジェフリー・アンスワース
美術/アレクサンダー・ヴェチンスキー
編集/シドニー・ヘイヤーズ
音楽/ウィリアム・オルウィン
音楽指揮/ミュア・マシースン
出演/ケネス・モア、ローレンス・ナイスミス、ロナルド・アレン、ジル・ディクソン、アンソニー・ブッシェル、オナー・ブラックマン、ロバート・エアーズ、ジェーン・ダウンズ、マイケル・グッドリッフ、フランク・ロートン、ジョン・カーニー、リチャード・リーチ、デイヴィッド・マッカラム、ジョン・メリベール、ラッセル・ナピイア、ジョージ・ローズ

1912年4月のある朝、二等航海士ハーバート・ライトラー(ケネス・モア)は誇りをもって、処女航海に出ようとする世界最大の客船タイタニック号に乗り込んだ。二十世紀造船技術の傑作と称されるタイタニック号は、サザンプトン港を出た。北大西洋に浮ぶ壮麗なこの巨船には、設計者トーマス・アンドルーズ(マイケル・グッドリッフ)をはじめ、実業家、芸術家、上流人士、欧州各国からの移民、船員等々、2207人の人々が乗船していた。
4月14日、日曜日の夜の11時40分、悲劇は始まった。目の前に突然現れた巨大な氷山を見張りが発見し、船が向きを変えようとした時、かすかな衝撃があった。その時、タイタニックの船腹は氷山の角で30フィートも裂かれていたのだ。この致命傷に気づいた設計者アンドルーズは、船の生命があと一時間半であることを船長に告げ、離船準備を命令させた。ライトラー二等航海士の仕事は救命ボートを用意することだった。しかし乗船者の半分を救う量しか、ボートはないのだ。まず一、二等船客が、女、子供を先に乗りはじめた。通信士は必死にSOSを発信したが、十マイル先にいたカリフォルニアン号の通信士はもう寝てしまっていた。48マイル先を航行していた定期船カルパチア号が、4時間で救援にかけつけると告げてきたが、それでは遅いのだ。海水は滝のように流れこんだ。
[ネタバレ反転]
三等船室に閉じこめられていた移民達が、われがちにボートに殺到した。ライトラーはやむなく威嚇射撃を行った。船は船首から海中に没しつつあった。船のオーケストラが、暗夜に『主よ御許に近づかん』を演奏していた。
衝突後2時間40分で巨船は多くの客と共に海中に没した。船長スミス(ローレンス・ナイスミス)も、設計者も海底に消えた。ライトラーは辛うじて転覆したボートにすがって、急行したカルパチア号に救助された。
生存者僅かに705人、実に1502人が大西洋のもくずとなった。翌朝、遭難現場を通過する船上から、ひとりライトラーは悲劇の海を見詰めた。




1912年に起きた20世紀最大の海難事故に直面した人々を、セミ・ドキュメンタリー風のリアリズムに徹した描写で描いた、名匠ロイ・W・ベイカー監督作品。 世界最大の海難事故として有名な惨劇を、可能な限り史実に忠実に映画化した作品です。冷静に避難を誘導する船員たち、急行する船の通信士・船長、女性と子どもを優先する紳士たち、己の任務を全力で果たそうとする人々の姿が胸を打ちます。数ある類似作の中でも、現在でも最も評価の高い作品です。

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『快傑ゾロ』 The Mark of Zorro (1940・米)
監督/ルーベン・マムーリアン
脚本/ジョン・テイター・フート
脚色/ギャレット・フォート、ベス・メレディス
原作/ジョンストン・マッカレイ
撮影/アーサー・C・ミラー
音楽/アルフレッド・ニューマン、デヴィッド・バトルフ
出演/タイロン・パワー、リンダ・ダーネル、ベイジル・ラスボーン、ゲイル・ソンダーガード、ユージン・ポーレット、J・エドワード・ブロムバーグ、モンタギュー・ラヴ、モンタギュー・ラヴ、ジョージ・レガス、クリス・ピン・マーティン、ロバート・ローリー、ベル・ミッチェル、ジョン・ブライファー、フランク・パリア、ユージン・ボーデン、ペドロ・デ・コルドヴァ

「ハリウッド・キング」と呼ばれたハリウッド黄金期の大スター、タイロン・パワーの冒険活劇!

スペインの士官学校を卒業したドン・ディエゴ(タイロン・パワー)は、父アレハンドロ(モンタギュー・ラヴ)が市長を勤めているロサンゼルスに呼び戻される。しかし、故郷は父に変わり市長となったルイス・キンテロ(J・エドワード・ブロムバーグ)とエステバン大尉(ベイジル・ラスボーン)に支配されており、重税を敷くなどの暴虐の限りを尽くしていた。キンテロの悪事に憤慨したディエゴは、エステバン大尉に狙われるロリータ(リンダ・ダーネル)を影から守りつつ一味を倒すことを決意する。そのために彼は自身を軟弱な貴族だと偽り、裏では正義の盗賊「ゾロ」としてキンテロ一味から金銭を強奪して貧しい農民たちに分け与えるのであった。


1940年度アカデミー賞作曲賞ノミネート

ジョンストン・マッカレーの『カピストラノの呪』をタイロン・パワー主演で映画化。ストーリーはおなじみの勧善懲悪ものコスチューム劇です。タイロン・パワーとベイジル・ラスボーンのチャンバラ・シーンは迫力満点。ヒロイン役のリンダ・ダーネルも美しく魅力的です。ちょっとコメディっぽい演出で、明朗快活な剣戟アクション映画となっています。テンポがよく、モノクロ画面からでもタイロン・パワーの茶目っ気たっぷりのカッコよさが伝わってきます。古い映画を毛嫌いする人でも、楽しく見やすい作品です。

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『風とライオン』 The Wind and the Lion (1975・米)
監督/ジョン・ミリアス
脚本/ジョン・ミリアス
製作/ハーブ・ジャフィ
音楽/ジェリー・ゴールドスミス
撮影/ビリー・ウィリアムズ
編集/ロバート・L・ウォルフ
出演/ショーン・コネリー、キャンディス・バーゲン、ブライアン・キース、ジョン・ヒューストン、ジェフリー・ルイス

ショーン・コネリー主演×ジョン・ミリアス監督
アカデミー賞2部門ノミネート、悠久の歴史アクション大作!

1904年、モロッコの港町タンジール。平和な正午の港町。街中を疾走する一団が高台の豪邸に侵入し、容赦なく家人を殺してまわる。賊はアメリカ人である邸の女主人イーデン・ペデカリス夫人(キャンディス・バーゲン)と子供2人だけは殺さずに連れ去ると素早く去っていった。
鉄道と電信と砲艦が世界を席巻した20世紀に登場した「海賊」たちの頭領はリフ族の首長ライズリ(ショーン・コネリー)。預言者ムハンマドの血を引く砂漠の王者を自認するライズリは、列強が自治国であるモロッコへ介入する現実に我慢ができず、国際紛争を誘発させ、甥であるモロッコの太守に外国勢力排撃の号令を出させようと目論んでいた。
ライズリの世界観は、男同士は面子の絡んだ喧嘩には命を懸けるというものであった。人質の女主人が危険な火遊びの果てには破滅が待っていると忠告するが、自信家のライズリの耳には入らない。プライドの高い男に呆れる女だが、共に生活する中で別の感情を持ちはじめていく。
一方、アメリカ国内では世論に押される形をとりながら、自国の勢力伸展をもくろむ野心家達の策謀が動き始める。ライズリの挑戦を受けて立ったルーズベルト大統領(ブライアン・キース)はアメリカ大西洋艦隊をモロッコに派遣し、海兵隊がタンジールを占領する。そして、ペデカリス母子の釈放と引き換えにライズリの免責が約束されたため、ライズリはペデカリス母子を釈放するが、彼は太守の裏切りによってドイツ軍にとらわれてしまう。
[ネタバレ反転]
裏切りに怒ったペデカリス夫人は、アメリカ海兵隊の協力を得て、ライズリを救出すべくドイツ軍の駐屯地へ向かのだった。互いの流血の末、非情な国際社会の力学はルーズベルトを勝者とする。賞賛の嵐の中、人払いをした大統領は顔を合わせずに終わった好敵手からの書簡を読みはじめる。
『あなたは風のごとく、私はライオンのごとし。あなたは嵐をまきおこし、砂塵は私の眼を刺し、大地は乾ききっている。私はライオンのごとく己の場所にとどまるしかないが、あなたは風のごとく己の場所にとどまることを知らない』ライズリの言葉に立ちつくす大統領。
一方、砂漠に落ちていく夕陽を背に、不敵に笑うムスリムの族長の姿があった。




史実の「モロッコ事件」を題材に、ショーン・コネリーがアラブの族長を骨太に演じた歴史スペクタクル映画です。モロッコの太守に外国勢力排斥の命令を出させようとするライズリですが、国内で絶大な人気を誇るセオドア・ルーズベルト大統領は艦隊を差し向け強硬策に出ます。面子を何より重んじ危険を顧みないライズリと、帝国主義の権化のような大統領。2人の考え方は対照的です。ラストのライズリからの書簡を読み立ち尽くすルーズベルトの姿は、物質主義に囚われた西欧列強を物ともしない屈強な精神力に負けたように見えました。この映画の最大の魅力は、主人公たるライズリのかっこよさに尽きると思います。もうひとつの魅力は、ジェリー・ゴールドスミスの音楽。雄大なブラスにしびれます。


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『炎の英雄/シャープ』 SHARPE (1993─・英)
原作/バーナード・コーンウェル
監督/トム・クレッグ
脚本/ヨーガン・ハリス
制作総指揮/ミューア・サザーランド、テッド・チャイルズ
制作/マルコム・クラドック
ラインプロデューサー/パヴェル・ドゥーヴィゾン
音楽/ドミニク・マルドウニー、ジョン・タムズ
撮影/アイヴァン・ストラスバーグ
編集/ロビン・セールズ
キャスティング/ジョン・ハバード、ロス・ハバード
効果/アンドリュー・モロ
美術/フィリップ・エルトン
衣装/ジョン・モロ
出演/ショーン・ビーン、ダラフ・オマリー、ジョン・タムズ、ジェイソン・サルキー、リンドン・デイビス、マイケル・ミヤーズ、ポール・トラッセル、ブライアン・コックス、アサンプタ・セルナ、マイケル・コクラン、ヒュー・フレイザー、デビッド・スルートン、ジェームズ・ローレンソン、アビゲール・クラッテンデン、フェオドール・アトキン、ロン・クック

【第一話 第95ライフル部隊(Sharpe's Rifles)】
1809年、ナポレオン軍と対峙するイギリス軍陣地。娼婦の子で孤児院育ちの軍曹リチャード・シャープは、フランスの槍騎兵に襲われそうになった将軍ウェルズリー(ウェリントン公爵)を助け出し、これがもとで中尉へ昇進、「選ばれし者達(Chosen Men)」と任務に就くことになるが、成り上がり者のシャープを快く思わないハーパー軍曹と殴り合いとなってしまう。
彼らの今後は如何に……。

貴族出身の将校が当たり前の時代、シャープは辛酸をなめつつも任務を遂行し、出世して行く。



『ホーンブロワー』と同時代、陸軍で活躍する一人の軍人の活躍を描く、時代考証もしっかりしておりリアリティのある作品です。差別や嫌がらせに耐えつつ任務を遂行していく主人公の魅力がクライマックスで爆発します。仲間への信頼、愛する人への想いが、ぐっときますよ。骨太な歴史ドラマ、スケールが大きくそこらのチャラチャラしたのなんか目じゃなく、めちゃくちゃ面白いです。
ナポレオン戦争後、インドに舞台を移したスペシャルがあります。

・炎の英雄/シャープ DVD-BOX1
・炎の英雄/シャープ DVD-BOX2
・炎の英雄/シャープ 新たなる挑戦

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『ホーンブロワー/海の勇者』 Hornblower (1998─2003・英)
演出/アンドリュー・グリーヴ
原作/C.S.フォレスター
脚本/ラッセル・ルイス、マイク・カレン、パトリック・ハービンソン、クリス・オールド
音楽/ジョン・キーン
衣装/ジョン・モロー
撮影/ニーヴ・カニンガム、アレック・カーティス
製作/アンドリュー・ベンソン
製作総指揮/ヴァーノン・ローレンス、デリア・ファイン
出演/ヨアン・グリフィズ、ロバート・リンゼイ、ジェイミー・バンバー、ポール・マッガン、デニス・ローソン、ポール・コプリー、ショーン・ギルダー、デビッド・ワーナー、ニコラス・ジョーンズ、イアン・マッキルヒニー、ジュリア・サワラ、ジョナサン・コイ

【第一話】
1793年イギリス。一月の強風に渦巻く雲々の下、一艘の小舟が戦艦ジャスティニアン号が錨を下ろすスピットヘッド港の水をかき分けて行く。小舟には、びしょ濡れになって寒さに震えた17歳の痩せた少年が乗船していた。彼は士官候補生ホレイショ・ホーンブロワー。人生における偉大な冒険が、今始まろうとしていた。



以前取りあげた『艦長ホレーショ』の前日譚部分をドラマ化した作品です。原作の執筆が艦長となった活躍からで、その後に士官候補生時代(このドラマ部分)が執筆されたのです。ヨアン・グリフィズは、神経質だけど思いやりのある主人公を好演。ぜひ続いて欲しいシリーズでした。とても丁寧に作り込まれた、リアリティに優れた、素晴らしい海洋冒険ドラマです。

・ホーンブロワー/海の勇者 DVD-BOX1
・ホーンブロワー/海の勇者 DVD-BOX2

次回は「陸のホーンブロワー」と絶賛される『炎の英雄/シャープ』です。

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『デュエリスト/決闘者』 The Duellists (1977・英)
監督/リドリー・スコット
原作/ジョゼフ・コンラッド
脚本/ジェラルド・ヴォーン・ヒューズ
製作/デイヴィッド・パトナム
撮影/フランク・タイディ
音楽/ハワード・ブレイク
出演/キース・キャラダイン、ハーヴェイ・カイテル、クリスティナ・レインズ、エドワード・フォックス、ロバート・スティーヴンス、アルバート・フィニー、トム・コンティ、ピート・ポスルスウェイト、アラン・アームストロング、ダイアナ・クイック、ジェニー・ラナカー

1800年のフランス。士官のデュベール中尉(キース・キャラダイン)はトレアール将軍(ロバート・スティーヴンス)から、第7騎兵隊のフェロー中尉(ハーヴェイ・カイテル)への謹慎処分の伝令を受ける。決闘好きのフェローは軍の規律を破っては無意味な決闘を繰り返し、ストラスブールでの決闘で市長の甥に重傷を負わせたのだ。フェローと面会したデュベールは軍令を伝えるが、フェローは逆恨みしてデュベールに決闘を申し込む。
決闘は引き分けに終わったが、フェローはその後もデュベールに執着し、事ある毎に難癖をつけて決闘をしかけるようになる。二人の決闘は年や国が変わっても続いたが、こうして幾度か決闘を繰り返すうち、二人の間には友情のような感情も芽生えてくる。
帝政の崩壊後にデュベールは王党派の将軍に出世し、アデルとの結婚を機にフェローとの関係を終わらせようとする。しかしフェローは諦めず最後の決闘を申し込み、デュベールは家族を守るため決闘に臨むのだった。



リドリー・スコットの長編映画監督デビュー作です。
決闘に取り憑かれた男と、彼に決闘を挑み続けられる男の奇妙な関係を、美しい時代描写と風景描写を交えながら描いています。人間の妄執と対照的に、光と影、自然の緑が印象派の絵画のように美しい作品です。
DVDには短編映画監督デビュー作『少年と自転車』(1962)も収録されています。

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『艦長ホレーショ』 Captain Horatio Hornblower (1951・米)
監督/ラオール・ウォルシュ
脚本/セシル・スコット・フォレスター、アイヴァン・ゴフ、ベン・ロバーツ、イーネアス・マッケンジー
製作/ゲリー・ミッチェル
撮影/ガイ・グリーン
音楽/ロバート・ファーノン
出演/グレゴリー・ペック、ヴァージニア・メイヨ、ロバート・ビーティ、テレンス・モーガン、モールトリー・ケルソール、ジェームズ・ケネイ、ジェームズ・ロバートソン・ジャスティス、デニス・オデイ、リチャード・ハーン、マイケル・ドーラン、スタンリー・ベイカー、アレック・マンゴ、クリストファー・リー、インゲボルグ・クッセロウ、アミー・ヴェネス

1807年、イギリス海軍のフリゲート『リディア号』は単艦、南米大陸に赴く。目的はスペインへの反乱を企てている現地指導者の支援。その男エル・スプレモ(アレック・マンゴ)は誇大妄想の狂人だったが「敵の敵は味方」という理屈だ。リディア号の艦長ホレーショ・ホーンブロワー(グレゴリー・ペック)は来航したスペインの軍艦『ナティビダッド号』を夜襲により拿捕するが、エル・スプレモに差し出さざるを得ない。
そこにスペインの快速船が便乗者とイギリス・スペインの講和のニュースを運んで来る。エル・スプレモは一転して敵となり、ホーンブロワーは『ナティビダッド号』と激しい戦いを繰り広げ、これを沈める。
[ネタバレ反転]
便乗者は後のウェリントン公の妹レディ・バーバラ・ウェルズリー(ヴァージニア・メイヨ)とそのメイド(インゲボルグ・クッセロウ)。ホレーショとバーバラの間には恋愛感情が芽生えるが、それぞれ妻と婚約者がおり、イギリスに着くとともに別れ別れにならざるを得なかった。家に帰ったホレーショは、妻マリアが息子を産んだことが元で亡くなったことを知らされる。
ホレーショは戦列艦『サザランド号』の艦長となり、バーバラの結婚相手であるレイトン提督(デニス・オデイ)の指揮下で大陸封鎖の任務につく。ホレーショは拿捕したフランス船から、スペインの戦場に軍隊と軍需品を送る艦隊が港内に待機しているという情報を得る。本隊に連絡する余裕の無いことを知ったホレーショは単独で港内に侵入し、フランス艦隊を撃破するが、『サザランド号』も破壊され、ホレーショ以下、乗組員全員が捕虜となった。
ホレーショと副長のブッシュ(ロバート・ビーティ)はスパイ容疑でパリに送られ、裁判にかけられることになった。もちろん判決は死刑と決まっている。従兵のクイスト(ジェームズ・ロバートソン・ジャスティス)を含めた3名は、道中の馬車の脱輪事故に乗じて脱走、奪ったボートで川を下り、河口の港までたどり着いた。そこでかつてのイギリス艦でフランスに拿捕された快速船『ウィッチ・オブ・エンダー号』を見つけた3名は、策を講じてまんまとそれを乗っ取り、港で使役されていたイギリスの捕虜を乗せて出航、イギリスに帰還する。
形式的な軍法会議で無罪の評決を受けたホレーショは英雄として迎えられる。大きくなった息子を抱くホレーショのところに、夫レイトン提督を戦闘で亡くしたバーバラが現れる。




海洋冒険小説ホーンブロワー・シリーズの『パナマの死闘』『燃える戦列艦』『勇者の帰還』を元に、著者自身が脚色。海洋アドベンチャーというジャンルに燦然と輝く作品。
ナポレオン戦争当時の海の闘いの様相が、見事に描写された作品です。帆船同士の戦闘は、風向や潮流などの要素を緻密な計算で考慮しなければならず、極めて高度な戦術が必要であり、臨場感をもってその駆け引きを描いています。
数年前にNHKで『ホーンブロワー/海の勇者』というドラマが放映されましたが、同じ原作を元にした作品です。見比べてみるのも一興ですね。

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『マスター・アンド・コマンダー』(2003・米)
Master and Commander: The Far Side of the World
監督/ピーター・ウィアー
脚本/ピーター・ウィアー、ジョン・コリー
製作/サミュエル・ゴールドウィン・Jr、ダンカン・ヘンダーソン、ピーター・ウィアー
製作総指揮/アラン・B・カーティス
撮影/ラッセル・ボイド、サンディ・シセル
音楽/クリストファー・ゴードン、アイヴァ・デイヴィス、リチャード・トネッティ
出演/ラッセル・クロウ、ポール・ベタニー、ジェームズ・ダーシー、エドワード・ウッドオール、マックス・パーキス、マックス・ベニッツ、ビリー・ボイド、リー・イングルビー、ロバート・パフ、パトリック・ギャラガー、デヴィッド・スレルフォール、トニー・ドーラン

ナポレオン戦争中の1805年、フリゲート艦サプライズ号はラッキー・ジャックこと名艦長ジャック・オーブリー指揮の下、フランス海軍の強力な私掠船アケロン号の拿捕命令を受けていた。しかし、アケロン号はサプライズ号に比して、その速度もまた艦の規模も勝っており、アケロン号との最初の戦いではサプライズ号側は甚大な被害を被る。
オーブリーは下士官たちの懐疑的な態度をものともせず、さらにアケロン号の追撃を続けるが、嵐、それに続く無風状態などの気候によるダメージは船員たちの士気を低下させていく。また、オーブリーの部下に対する態度は、無二の親友でありサプライズ号の医者、そして博物学者でもあるマチュリンとの間に、激しい口論を引き起こす。
こうした様々な不利な状況を乗り越え、オーブリー以下サプライズ号の乗組員は知略を尽くして、アケロン号に戦いを挑む。



海洋冒険小説『オーブリー&マチュリン・シリーズ』を原作に、各巻からエピソードを寄せ集めているため、ちょっと辻褄が合わないところがありますが、それはご愛敬。
圧倒的に有利な装備を持つ敵アケロン号と対峙するサプライズ号クルーが、常勝不敗のカリスマ艦長のもと一致団結して戦うという展開が静かに熱いです。荒くれ者のベテランクルーに混じって士官候補生の10代前半の少年たちも乗組んでいますが、海の上では大人と同じ仕事を堂々とこなします。彼らは、見た目の幼さとは裏腹に、腹の据わった一人前の軍人なのです。公開当初の日本での予告編は「少年兵が強制的に戦争に駆り出される」という史実や映画本編からかけ離れた内容だったため、ファンの間から抗議が起こりましたね。この少年たちはどんなコネでも使って、場合によっては年齢制限に違反してまで、軍艦に自分の意志で乗組んだのです。
自然の猛威と敵との駆け引き、男たちの死力を尽くした戦いに、手に汗を握ります。

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『真紅の盗賊』 THE CRIMSON PIRATE (1952・米)
監督/ロバート・シオドマク
製作/ハロルド・ヘクト
脚本/ローランド・キビー
撮影/オットー・ヘラー
音楽/ウィリアム・オルウィン
出演/バート・ランカスター、ニック・クラヴァット、エヴァ・バートック、トリン・サッチャー、マーゴット・グレアム、ダナ・ウィンター

18世紀のカリブ海。海賊の頭目バロ(バート・ランカスター)船長はスペイン船を拿捕するが、積まれていたのは金銀財宝ではなく、大量の武器と外交官のグルーダ男爵(レスリー・ブラッドリー)だった。スペインの圧制に反抗する民衆を弾圧するための武器だったのだが、欲に目がくらんだバロは、武器を反乱軍に売りさばき、更に反乱軍の首魁エル・リブレをグルーダに売って更に金を得ようと考える。
腹心オーホ(ニック・クラヴァット)と共に、一足先に上陸したバロは、軍隊相手に騒ぎを起こして反乱分子への渡りをつける。が、彼らもさるもの、逆にバロたちを捕らえて現在収牢中のリーダー、エル・リブレの救出を手伝わせようとする。
[ネタバレ反転]
その中心はエル・リブレの勝気で美しい娘コンスエロ(エヴァ・バートック)。彼女に惹かれたバロは、いつしか損得抜きで救出に協力する気になる。
グルーダに化けて監獄島へ潜入し、エル・リブレとその盟友の科学者プルーデンス教授(ジェームズ・ヘイター)を救い出すが、「海賊らしからぬ」行動に憤慨した部下たちとグルーダが手を組んだため父娘は捕まり、バロ、オーホ、教授は手枷をつけられて小舟で海に流される破目になる。
それでも教授の大胆な案により何とか島に戻ったバロたちは、反乱軍に合流し、彼の「新技術の活用」を駆使して圧制者の大軍を打ち破り、コンスエロを取り戻す作戦を立てる。まずは女装したバロたちが、貢物を載せた山車の下に新兵器を隠して総督たちへ接近して襲い掛かる作戦。
気球や新型爆薬、火炎放射器などの発明品で劣勢を補い、ついに逃げ出したグルーダの船を追うバロ。結局グルーダに裏切られた部下たちは、再びバロに従い、果敢に敵船に斬り込んでゆくのだった。




バート・ランカスターが海賊に扮して大暴れする娯楽冒険活劇。サービス精神も旺盛に、ごった煮的に盛り込まれた見せ場も快調。全体に流れるユーモラスなタッチも貢献して、大らかな作品になっています。若きバート・ランカスターと相棒のニック・クラヴァットとのサーカスで鍛えた離れ業。息が合ったコンビぶりが楽しい冒険活劇映画です。
犯罪映画やサスペンス映画で知られたロバート・シオドマク監督の、珍しいコミカルな活劇演出が冴えています。

興味のある方は、更に楽しく詳しい記事を書いておられる『めとろん』さんの記事を参照してみましょう。
http://blogs.dion.ne.jp/metrofarce7/archives/3984314.html
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