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Category : スリラー
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サイコ3

『サイコ3 ─怨霊の囁き─』 Psycho III (1986・米)
配給/ユニヴァーサル=UIP
監督/アンソニー・パーキンス
脚本/チャールズ・エドワード・ポーグ
製作/ヒルトン・A・グリーン
撮影/ブルース・サーティース
音楽/カーター・バーウェル
美術/ヘンリー・バムステッド
編集/デヴィッド・ブレウィット
出演/アンソニー・パーキンス、ダイアナ・スカーウィッド、ジェフ・フェイヒー、ロバータ・マクスウェル、ヒュー・ギリン、リー・ガーリントン、ロバート・アラン・ブラウン、ブリンク・スティーヴンス

驚くべき新事実が以外な結末へ……
思わず息をのむクライマックスがあなたを襲う!!


あの忌まわしい事件から22年後、精神病院を退院したノーマン・ベイツ(アンソニー・パーキンス)は、ベイツ・モーテルの営業を再開した。実の母親だと称する老婆の訪問を受けたノーマンは、彼女を殺害し、再び剥製にして昔の生活に戻って行った。
ライラとメアリーによる恐るべき事件(そう信じられている)も沈静化し、ノーマンは穏やかな日々を過ごしていた。近所の軽食堂の主人や保安官もノーマンには好意的だ。歌手を目指す流れ者の若者デュエイン(ジェフ・フェイヒー)をモーテルの手伝いとして雇い、新しい製氷機を購入し、経営はまずまず順調なスタートをきった。
ある日、ベイツ・モーテルに金髪のショート・カットの女性が訪れる。軽食堂で彼女を見つけたノーマンの表情が変わった。22年前に殺した女性マリオン・クレインに似ているのだ。過去の記憶がノーマンに甦る。
一方、その女性モリーン(ダイアナ・スカーウィッド)自身も、実は暗い過去をもっていた。修道女であった彼女は、神を信じられなくなり、しかも、老修道女を事故死させてしまったのだ。それらのことで未だに悩み続けているモリーンは、疲れた身体をベイツ・モーテルで休めることにした。
同じ頃、22年前の惨劇に興味を抱き現在のノーマンに会いに来た女性がいた。精神異常者の社会復帰をリポートしているジャーナリストのトレーシー(ロバータ・マックスウェル)だ。
モリーンに刺激されて過去の状態に戻ってしまったノーマンが、精神分裂症を引き起こし、死んだ母親になり変わりナイフを持ってモリーンの部屋に入った。しかし、モリーンは浴室のバスタブで自殺を計り、血まみれになっていた。朦朧とした彼女には、ナイフをもって女装して現われたノーマンが十字架を手にした聖母マリアに見えた。
病院に収容された彼女は救助したノーマンに感謝する立場になり、退院と同時にしばらくモーテルに泊まることにする。やがて、二人の間には淡い愛情が芽生え始める。
そんなとき、ノーマンと高校の同級生であるスポーツ選手とチアガールがモーテルにやって来て、夜通しで同窓会を開いている時、ノーマンの発作が再発した。母になり変わって、トイレに入っていた若い女性の1人を殺し、正気を取り戻したノーマンが製氷室に死体を隠した。
[ネタバレ反転]
翌日、警察が行方不明になった若い女性の行方を追ってモーテルにやって来た。ノーマンの犯行を知っていたデュエインが彼を脅迫し、逆にノーマンに殺された。しばらく神父の所にいたモリーンがベイツ・モーテルに戻って来た矢先、分裂症の発作で母になったノーマンがモリーンも殺してしまった。腹を立てたノーマンは初めて母親に背き、母親の剥製にナイフを突き立てて破壊した。かけつけたトレーシーの通報で、ノーマンは保安官に逮捕されるのだった。
「ノーマン、お前はもう、一生出られないぞ」 「いいさ。僕は、やっと自由になった」




『サイコ』シリーズの第3作目で、主人公ノーマン・ベイツを演じたアンソニー・パーキンスが自らメガホンを取りました。宗教的なアイロニーを込めて、ノーマンの救済と母の影響下からの脱却と、それに伴う犠牲(他者の殺人と自身の幽閉)を描いていますが、正直、成功しているとは言いがたいです。露悪的な残虐シーンが妙に生々しく展開されるので、B級スラッシャー・ムービー好きには良いかも。実は、当初の脚本ではデュエインが真犯人だったそうで、会社の意向で変更されたらしいです。まあ、変更後の方が、母の軛から解放される顛末としては、うまく嵌っていると思います。
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サイコ2

『サイコ2』 Psycho II (1983・米)
配給/ユニヴァーサル=CIC
監督/リチャード・フランクリン
脚本/トム・ホランド
製作総指揮/バーナード・シュワルツ
製作/ヒルトン・A・グリーン
キャラクタ創造/ロバート・ブロック
撮影/ディーン・カンディ
美術/ジョン・W・ドーソ、シド・ダットン
音楽/ジェリー・ゴールドスミス
編集/アンドリュー・ロンドン
SFX/アルバート・ウィトロック
特殊メイク/マイケル・マクラッケン、チャンク・クラフツ
出演/アンソニー・パーキンス、ヴェラ・マイルズ、メグ・ティリー、ロバート・ロッジア、デニス・フランツ、ヒュー・ギリアン、クラウディア・ブライアー、ロバート・アラン・ブラウン、ベン・ハーティガン、リー・ガーリントン、ティム・メイアー、ジル・キャロル、クリス・ハンドリー、トム・ホランド

衝撃のラストから22年──未だかつてないサスペンスをはらんでA・パーキンスが帰って来た!

ハイウェイを離れたところに建つベイツ・モーテル。雨の夜、このモーテルの1号室にとまったマリオン・クレイン(ジャネット・リー)が、モーテルの経営者ノーマン・ベイツ(アンソニー・パーキンス)にナイフで刺殺される事件がおきた。ノーマンは10年前に母親を殺害し、その罪の意識からノーマンの精神の中に母親が同居しており、マリオンの裸を覗き見したノーマンに怒って、母親がマリオンを殺したのだった。ノーマンは逮捕され、精神異常者として病院に収容された。
それから22年、ノーマンは精神異常が治癒したとして、被害者マリオンの妹ライラ・ルーミス(ヴェラ・マイルズ)の抗議にもかかわらず退院が決定された。ノーマンは主治医レイモンド(ロバート・ロッジア)とともに、自分の邸に戻ってくる。その時、彼は窓に誰かの姿を見たような気がした。
レイモンドの尽力で、ノーマンは近くの町フェアヴェイルのダイナーで皿洗いとして働くことになる。ウェイトレスの初老のスプール夫人(クラウディア・ブライアー)が、他の従業員を紹介してくれた。ノーマンはへまばっかりやってるメアリー(メグ・ティリー)と仲良くなり、同棲している男友達から捨てられたという彼女をモーテルの部屋に泊まらせる。
モーテルの管理を病院から依頼されていたトゥーミイ(デニス・フランツ)が、モーテルを連れ込み客に貸し、しかも部屋にマリファナの吸い殻があったことから、怒ったノーマンはトゥーミイを馘首する。結局、メアリーを邸にとめることになった。
翌日、ダイナーで「女を放り出せ、母親より」というメモを見て、ショックを受けるノーマン。ノーマンはダイナーをやめ、モーテル経営に専念することにした。そんななか、トゥーミイが行方不明になり、邸の地下室に忍び込んだカップルの男の方が、何者かに殺される。警察は通り魔の犯行と断定するが、ノーマンは不安だった。しかも、ノーマンの母親の部屋が昔の通りになっていたかと思うと、いつの間にか家具に白い布がかかった状態に戻ったりした。しだいに、ノーマンは、自分が前のように狂い出しているのだと思うようになる。
やがて、トゥーミイの死骸が発見され、メアリーが実はライラの娘であることが明らかになる。メアリーとライラの母娘はノーマンの精神を狂わせて、再び病院へ送り返そうと企んでいたのだ。しかし、メアリーはこの陰謀が嫌になり、「関係ない人を殺すなんて!」となじり、母親にもうやめようと言い出す。身に覚えのないライラは、ノーマンが殺人を再開したのだと確信する。
[ネタバレ反転]
ライラは邸の地下室に入り込み、更なる工作を行おうとするが、そこで何者かに刺殺される。一方、メアリーは今までのことをノーマンに告白し、許しを乞う。だが、二階の母の部屋に掛かってきた電話にノーマンが出ると「やあ、母さん」と話し始める。
自分たちの責任だとメアリーは、会話をやめさせようとするが、ノーマンは母の言うことを聞こうとする。メアリーは、ノーマンの母の服とカツラを着込み「母は私、私の言うことを聞きなさい」と必死に命令する。だが、ノーマンは電話の相手を信じる。護身用の武器として包丁を構えたメアリーは、階段へと後じさり逃げようとする。
そのとき、メアリーは肩をつかまれ、反射的に背後の人物を刺してしまう。それはメアリーたちの正体を知り、ノーマンが心配で見に来たレイモンド医師だった。階段から転落した衝撃で刺さっていた包丁が心臓を貫き、レイモンドは死んだ。
半狂乱のメアリーは「母さん、またやったんだね。大丈夫、僕がかばってあげる」と迫るノーマンから逃げて、地下室へと入った。母を気遣い「大丈夫だから、包丁を渡して」と近づくノーマンの手を刺しながら後ずさるメアリー。そこで、石炭に埋もれたライラの死体を発見し、ノーマンの殺人を確信する。メアリーがノーマンを刺し殺そうとした瞬間、保安官の銃が火を吹いた。
事件は、メアリーとライラ母娘がノーマンを陥れようとして、関係ない人間の殺人まで犯したメアリーが止めるライラを殺し、さらにはノーマンまで殺そうとしたという、恐るべき真相であったと締めくくられた。ノーマンには、皆からのねぎらいの言葉がかけられた。
夜になって、邸にスプール夫人が尋ねて来た。昼間の電話は「私が貴方の母親なの」という、スプール夫人からのものだったのだ。彼女は自分がノーマンの本当の母親で、彼を育てることができなかったので、姉のベイツ夫人に預けたことを打ち合ける。これまでの殺人はノーマンを守るために彼女が犯したのだった。
母に会えたノーマンは幸せだった。何気なく背後にまわり、毒入りのお茶を飲む彼女を、シャベルで殴り殺す。そして死体を母親の部屋へ運んでいった。ノーマンと母親の会話が再び始まった。




アルフレッド・ヒッチコック監督作品『サイコ』(1960)の続編。23年の時を経た傑作スリラーの続編制作という困難に挑み、克服したのはヒッチコック・ファンを自認するR・フランクリン監督の力量とトム・ホランドの脚本によります。ノーマンは本当に治っているのか? 殺しているのは誰か? 謎に包まれた形で物語は進み、もの凄い緊迫感です。また、前作では結局は終始怪物だったノーマンの人間味を描いていて、正常に戻って過去を振り返るノーマンの、幼い頃の話をする表情が哀れです。逆に、前作で真相を暴いた被害者の妹ライラが、怒りに凝り固まり昔のノーマンばりの異常者に見えてゾ〜ッとします。前作の評価はオチに依存した部分がありますが、続編としてこういう理詰めでひねった方向性で差別化した作品は大好物です。ヒッチコックにならい、フランクリン監督はダイナーの客で、ホランドは副保安官で、ちょい役で出ています。前作の被害者マリオンの婚約者サム・ルーミスは登場しません。彼とライラは結婚して、その後サムは病死という設定ですが、サムを演じたジョン・ギャヴィンは当時、俳優を引退して駐メキシコ大使を務めていました(1981年から1986年まで赴任)。また、メアリー役には当初、前作でマリオン役を演じたジャネット・リーの実の娘である、ジェイミー・リー・カーティスが候補に上がっていました。私はメグ・ティリーの方が好きです。可愛いから。www
サイコ

『サイコ』 Psycho (1960・米)
配給/パラマウント映画
監督/アルフレッド・ヒッチコック
脚本/ジョセフ・ステファノ
原作/ロバート・ブロック
製作/アルフレッド・ヒッチコック
音楽/バーナード・ハーマン
撮影/ジョン・L・ラッセル
美術/ジョセフ・ハーレイ、ロバート・クラットワージー、ジョージ・ミロ、ソウル・バス
編集/ジョージ・トマシーニ
助監督/ヒルトン・A・グリーン
タイトルバック・絵コンテ/ソウル・バス
出演/アンソニー・パーキンス、ヴェラ・マイルズ、ジョン・ギャビン、マーティン・バルサム、ジョン・マッキンタイア、サイモン・オークランド、ジャネット・リー、ジョン・アンダーソン、パトリシア・ヒッチコック、フランク・アルバートソン、ルーリン・タトル、ボーン・テイラー、モート・ミルズ

最初から観るか――全く見ないで下さい。上映開始後は入れません。

アリゾナ州の小さな町ファーベル。そこの不動産会社に勤めているマリオン・クレーン(ジャネット・リー)は隣町で雑貨屋をひらいているサム・ルーミス(ジョン・ギャビン)と婚約していたが、サムが別れた妻に多額の慰謝料を支払っているために結婚できないでいた。
土曜の午後、銀行に会社の金4万ドルを収めに行ったマリオンは、この金があればサムと結婚できるという考えに負けて隣町へ車で逃げた。途中、中古車を購入して乗り換えるが、挙動不審なマリオンをじっと警官が見詰めていた。なんとかその場を遣り過ごしたマリオンは、夜になって雨が降って来たので、心理的な疲れもあり、郊外の旧街道にある寂れたモーテルに宿を求めた。
モーテルを経営するノーマン・ベイツ(アンソニー・パーキンス)は、マリオンを1号室へ案内する。ルームサービスもないというので、マリオンはノーマンの食事の誘いを受けた。
ノーマンは母親と2人でモーテルに接続している古めかしい邸宅に住んでいて、頭が良く神経質で母親の影響を強くうけていた。マリオンを邸宅に招き食事の用意をするノーマン。マリオンの耳に、女を連れ込んだ事のなじり、マリオンを売女と罵る病気の母と、マリオンを擁護し口論するノーマンの2人の声が聞こえて来た。ぎこちない食事のあと、ノーマンとマリオンはモーテルへ戻る。マリオンがシャワーを浴びようと服を脱ぐのを、ノーマンは動物の剥製で一杯の管理人室の壁の穴から覗き見していた。ノーマンは背徳感を感じて目を背け、目を瞑ったまま寝入ってしまった。
シャワーを浴びていたマリオンは、突然背後に気配を感じた。包丁を構えた影は、何度もマリオンに振り下ろし、マリオンは抵抗虚しく息絶えた。排水口には、真っ赤な血が流れ込んで行く。目覚めたノーマンが1号室にマリオンを訪れた時、彼女は浴槽の中で血まみれになって死んでいた。ノーマンは殺人狂の母親の仕業と見て、マリオンの死体を分厚い封筒ともどもに、車の後部トランクに押し込み、裏の沼に沈めた。
会社では、月曜になって銀行に4万ドルが入ってないのを知り、私立探偵ミルトン・アボガスト(マーティン・バスサム)にマリオンの足取りを洗わせていた。マリオンの妹ライラ(ヴェラ・マイルズ)は姉がサムの家に行ったと思いサムを尋ねてきた。そこへ探偵のアボガストもやってきて、2人ともサムの家にマリオンがやってきていないことを知った。
アボガストはファーベル町とサムの家の間にモーテルがあることを知り、それを調べに出た。そこでマリオンが確かにモーテルに寄ったということを知った。これから母親と会うという電話がアボガストからサムにかけられてきた。そしてアポガストは消息を絶った。ノーマンは、母の再度の凶行に苦悩する。警察が来たときの用心に、母を地下室に隠す。
アボガストの連絡を待つサムとライラの2人は町のシェリフ・チェンバース(ジョン・マッキンタイア)を訪れ意外なことを聞かされた。ノーマンの母親は10年前に死んでこの世にはいないと。では、マリオンが見た母親、アポガストが電話で伝えた母親は誰なのか。
[ネタバレ反転]
2人はモーテルに馳けつけた。サムがノーマンをフロントに引き寄せておく作戦に、ライラはモーテルから屋敷へと忍び込んだ。サムの意図に気づき、屋敷へかけ戻るノーマン。ライラが地下室で見たものは、女の服を着たミイラだった。その瞬間、後ろから襲いかかった老婆を抑えつけるサム。そこには女性のドレスを着込み、女性のカツラを被り、包丁を振り上げたノーマンの姿があった。
精神科医は言う。母親に依存していたノーマン少年は、母親と恋人を毒殺し、母親を剥製にした。だが、母は口をきかない。そしてノーマンは自分の人格と、作り出した母の人格との行き来を繰り返し、母は息子を守る為に殺人を、息子は母を守るために隠蔽を行っていたのだ。ノーマンが捕まった今、息子の愚痴を繰り返す母だけが残った。





Trailer Long Version

伝説的ヒッチコック・スリラーにして、全てのサイコ・サスペンスのルーツ。その演出スタイルは、バーナード・ハーマンのセンシティブな音楽と共に恐怖感を煽ります。わざとモノクロで作り、当時の観客にはショッキングな殺人シーンや血糊による不快感を避けています。実は、トイレだけでなく、便器内の流す水まで画面に映した初めての映画でもあります。ヒチコックの露悪的な諧謔でしょうか。ある映画では、ヒッチは嫌いな卵料理にタバコを突き立てて消すシーンを入れたりしていますし。映画は、前半が犯罪を犯した女性の不安な逃亡劇、中盤は探偵役の捜査劇、後半はドラキュラ城探索のようなスリラーと、3部構成になっています。アンソニー・パーキンスが演じたヒョロリとして神経質そうなノーマンは、原作小説ではデブの中年親父です。汗かきで、不器用で、人付き合いが下手、その上、マニアックなちょっと変わった趣味の持ち主。「あまり頭が切れるほうじゃなくて、ちょっと変わったところがあって、それだけに妙に憎めないやつ」なんて思われていますが、本棚には、ユイスマンス、サド、ウルペンスキー、アレイスター・クローリーといった神秘学から異常性欲の本なんてのまで並んでいてかなりの読書家、心理学の方面にも十分な知識を蓄えている、なかなかのインテリなのです。外見は違っていても、A・パーキンスの演じたノーマンと印象が変わらないのが不思議です。
イルカの日

『イルカの日』 The Day of the Dolphin (1973・米)
配給/日本ヘラルド映画
監督/マイク・ニコルズ
脚本/バック・ヘンリー
原作/ロベール・メルル
製作/ディック・バークマイヤー、ロバート・E・レリア
製作総指揮/ジョーゼフ・E・レヴィーン
音楽/ジョルジュ・ドルリュー
撮影/ウィリアム・A・フレイカー
編集/サム・オスティーン
出演/ジョージ・C・スコット、トリッシュ・ヴァン・ディーヴァー、ポール・ソルビノ、フリッツ・ウェーバー、ジョン・コークス、エドワード・ハーマン、レスリー・チャールソン

イルカが人間の言葉を話す! イルカが大統領を暗殺する!?
全く新しい感動と興奮の世界! 鬼才マイク・ニコルズが 卓抜な着想で放つ注目の話題作!


海洋動物学者として世界的に著名なジェイク・テリル博士(ジョージ・C・スコット)は、フロリダの沖合い遠くの小島にイルカを研究するための研究所を持っていた。現代科学の粋を集めて建設された施設で、6人の助手たちと共に、1頭のイルカに簡単な英語を教えていた。
聡明なテリルは自分の研究が、政治の力によって悪用される危険性を充分知っており、スポンサーである財団にも詳細な報告はしていなかった。だが、政府の調査機関では早くもそのことをかぎつけて、テリルの研究に対する調査を開始していた。テリルが母親代わりになって育てたイルカは「ファー(アルファー)」と名づけられ、彼を「パー(パパ)」と、呼吸孔から出す可愛い声で呼ぶほどに成長していた。いってみれば、ファーはテリルと彼の妻マギー(トリッシュ・ヴァン・ディーヴァー)の1人息子のような存在だったのだ。だが、マギーは夫を応援しながらも、尋常ならざるイルカへの愛情(執着)に、なにか整理しかねるとまどいを覚えていた。
テリルはそんなファーに花嫁を与えることにした。この牝イルカは「ビー(ベータ)」と名づけられた。プールで楽しそうに遊び廻る2頭のイルカは幸福そうだった。ファーがビーにイルカの言葉を教わったため、一時テリルとの英語による会話に応じなくなるという問題が起こったが、それが解決すると学習はどんどん進むようになり単語をいうだけだったファーが構文も覚えるようになった。ビーもファーから教わって、人間との会話ができるようにまで成長した。
財団がテリルの研究に介入し始めたのは、その頃だった。水上飛行機で島にやってきた財団管理官デマイロ(フリッツ・ウェーバー)は、研究の具体的成果をこれ以上秘密にするなら、援助を打ち切ると通告してきた。やむなくテリルは彼に研究所の中を案内し、そして政府の調査機関員マホニー(ポール・ソルビノ)の訪問を許してしまった。マホニーはデマイロの弱点を握り、圧力をかけていたのだ。翌日、島を訪れたマホニーはテリルの非協力的な態度を感じ取り一通りの研究施設とイルカを見ると去っていったが、すぐにまた1人の部下を連れ密かに引き返してきて、テリルたちに悟られないように島のジャングルの中にひそんだ。
次にやってきたのは財団の理事5人だった。一同はテリルと会話を交わすファーに眼を見はり、テリルとマギーを財団事務局に招待した。だが、異様な雰囲気に気づいたテリルは急いで島に戻ったが、すでにファーとビーは研究助手のデビッド(ジョン・コークス)に連れ去られていた。デビッドは財団のまわし者だったのだ。消沈する夫にマギーは、「あなたのせいじゃない」と慰める。テリルは「私が間違っていた」と言う。「私がイルカ語を話せばよかったんだ」。その苦しむ様は、傲慢な人間への罰のようだった。
頭をかかえるテリルたちの前に、突然マホニーが姿を現わし、部屋の中に仕掛けられた盗聴マイクをあばき、一同を庭に連れ出して事の真相を語って聞かせた。
財団の理事の1人は元CIAの高官である。マホニーが属しているのは同じ政府でもまた別の機関で、彼は財団理事たちの企んでいるらしい陰謀を探りだすために調査を続けていたのだ。その頃、ファーとビーはカリブ海のある場所で、デビッドから特殊な訓練を受けていた。それは時限装置と磁石のついた機雷を、大統領の乗ったヨットの船底につけようという陰謀だったのだ。爆弾を背に無邪気に泳ぐイルカたち。だが、悪人たちはファに嘘をつく。それまで人間の事を信頼していたファーは「人間 ない事 言う」(人間は嘘をつく)と呟く。
パーに会いたくて敵のスキを見て逃げ帰ったきたファーから陰謀の内容を聞いたテリルとマホニーは急いでモーターボートで出発したが、途中で燃料が切れてしまい、、最後の手段としてテリルは、ファーにビーを探し出して止めるように命じた。
[ネタバレ反転]
ファーは間一髪でそれに成功し、おまけに機雷を理事たちの乗った船につけた。テリルは研究施設・書類をすべて廃棄・焼却して逃げる決心をする。過去の自分の研究が、純真なイルカの心を傷つける結果になったことを後悔したからだ。ファーとビーを、「二度と人間の言葉をしゃべってはいけない」と諭し海に放し、外海へでるよう命じる彼の心は、はり裂けんばかりに痛んだが、すぐやってくるであろう組織の復讐を考えると、こうするより他に方法がなかった。
「ファー パー 好き いっしょ」と別れを拒むファーにテリルは「イルカとして生きろ。人間は悪い」と語る。夫婦は、彼らを慕い、いつまでも海岸から動かないイルカたちに振り向くことなく「パーはもういない!」と厳しく突き放す。「パー」といつまでも海岸で呼びつづけるファーの声が、彼ら夫婦の耳にはつらかった。






フランスの作家ロベール・メルルのSFサスペンス小説を、「卒業」の脚本・監督コンビが映画化した異色スリラー。最も知能指数が高いといわれるイルカの生態を利用した政治的陰謀を阻止せんとする海洋学者の戦いを描きます。G・ドルリューの美しいスコアとイルカの鳴き声が切なく、印象的な作品です。物語自体は「陰謀もの」ですが、作品の肝は科学者夫婦とイルカの美しい交流です。ちなみに科学者夫婦役のジョージ・C・スコットとトリッシュ・ヴァン・ディーヴァーは実の夫婦で、さすがの息の合い方です。今見ると少々テンポの遅さを感じますが、出演者のきっちりした演技と、ニコルズ監督の丁寧な演出、美しい音楽に可愛いらしいイルカの姿で、見ごたえのある作品となっています。

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『白い肌の異常な夜』 The Beguiled (1971・米)
監督/ドン・シーゲル
脚本/ジョン・B・シェリー、グライムス・グライス
原作/トーマス・カリナン
製作/ドン・シーゲル
音楽/ラロ・シフリン
撮影/ブルース・サーティース
編集/カール・パインジター
出演/クリント・イーストウッド、ジェラルディン・ペイジ、エリザベス・ハートマン、ダーリーン・カー、メエ・マーサー、ジョー・アン・ハリス、パメリン・ファーディン、メロディ・トーマス、ペギー・ドライヤー、パッツィー・マティック

その夜から 蒼ざめた血のざわめきが 聞こえはじめた── 森ふかい女だけの館に……

南北戦争末期、南部のある深い森の中にファンスワース女子学院があった。戦火を避け自給自足の生活をおくる女たちは、院長のミス・マーサー(ジェラルディン・ペイジ)、教師のエドウィーナ(エリザベス・ハートマン)、キャロル(ジョー・アン・ハリス)、ドリス、ジャニー、亀の子をペットにしている10歳のエミー(パメリン・ファーディン)などであった。
ある日、きのこ採りに森の奥に入ったエミーは、血みどろで倒れている兵士を発見して悲鳴をあげた。女たちは学院にその男をかつぎ込んだものの、兵士が敵方の北軍の軍服を着ているのに気づき困惑した。しかし、傷ついた男を敵側に渡すこともできず、女たちは手当てをして看病を続け、南軍の巡視隊の目をうまくかわした。間もなく生気を回復した兵士ジョン・マクバーニー伍長(クリント・イーストウッド)に、しかし女たちの欲望が渦巻き始めたのだ。
成熟した体を持て余すキャロル、精神的に傾斜するエドウィーナ、そして院長もマクバーニーに心惹かれた。男を恐れ、疑いながらも、次第に惹かれていく女達。女たちの魅力に囚われ、その嫉妬や憎悪に翻弄されたマクバニーは単独で脱出を試みる。そして、彼女たちの嫉妬と憎しみが頂点に達した時、逆上したエドウィーナはマクバーニーを階段の上から突き落としてしまった。その傷が化膿すると、院長は自ら指示してナイフとノコギリを持ち出し、彼の脚を切断してしまった。麻酔から覚めたマクバーニーは自暴自棄に陥り、脚を切断したのは院長の嫉妬心からだと喚きたて、院長の近親相姦の秘密を知ると、それをたてにとって、学院の支配者はオレだとうそぶいた。
[ネタバレ反転]
憎しみを抱いた院長たちは毒きのこで彼を殺害しようと思いついた。マクバーニーに亀の子を殺されたエミーが毒きのこを採ってきた。しかし夕食の時、冷静になったマクバーニーの態度は一変し皆に無礼を謝り、学院を出て行くといって、好物のきのこ料理をうまそうに食べた。皆が見守るなか、彼の手からフォークが落ちた……。



ドン・シーゲル監督とクリント・イーストウッドによる、異常な女性たちの狂気を描いたサスペンス・スリラー。女たちに翻弄される男の恐怖を、タフガイのイメージのイーストウッドが演じるのがミソです。イーストウッドは『恐怖のメロディ』で女ストーカーに追われる男を、『タイトロープ』で異常性愛殺人犯を追ううちに感情移入して取り込まれそうになる刑事などを演じていて、他の作品でもこういうニューロティックな要素が見え隠れします。性的な抑圧と変態的な背徳感を、感性の根源に持っているのかもしれませんね。

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『ブラボー小隊・恐怖の脱出』 Southern Comfort (1981・米)
監督/ウォルター・ヒル
製作/デヴィッド・ガイラー
製作総指揮/ウィリアム・J・イマーマン
脚本/デヴィッド・ガイラー、ウォルター・ヒル、マイケル・ケーン
撮影/アンドリュー・ラズロ
音楽/ライ・クーダー
出演/キース・キャラダイン、パワーズ・ブース、フレッド・ウォード、ピーター・コヨーテ、ブライオン・ジェームズ、フランクリン・シールズ、T・K・カーター、ルイス・スミス、レス・ラノム、アラン・オートリー、ソニー・ランダム

ルイジアナを舞台に、湿地帯に迷いこんだ訓練兵たちの恐怖を描いたスリラー映画。

1973年のルイジアナ州。普段は一般市民として生活し、招集されると軍務に就くという州軍では、定期訓練を実施していた。今回、プール二等軍曹(ピーター・コヨーテ)に率いられた第2分隊も、38km離れた州軍キャンプへ行軍訓練を開始した。分隊にはテキサス出身で石油エンジニアのハーディン伍長(パワーズ・ブース)が新加入した。大卒のハーディンは軍になかなか馴染めない。分隊にはこのほか堅物のキャスパー三等軍曹(レス・ラノム)、真面目な高校教師でアメフトコーチのボーデン伍長(アラン・オートリー)、お調子もののスペンサー上等兵(キース・キャラダイン)、ちょっと危ない雰囲気のリース伍長(フレッド・ウォード)、黒人のクリブス上等兵(T・K・カーター)、ヤク中でちょっと馬鹿なスタッキー上等兵(ルイス・スミス)がいる。
分隊は行軍するうちに地図にない沼にぶち当たる。そこには現地住民であるケイジャンのカヌーが繋留されており、リース伍長の強引な意見で勝手に拝借していくこととなる。ボーデン伍長は一応置き手紙を置いていく。途中で岸にケイジャンの姿を見つけ、プール軍曹は借りていくと大声で話しかけるが英語は通じないらしい。その時、スタッキー上等兵が空砲の機関銃をぶっ放す。驚いたケイジャンは逃げるが、その次の瞬間プール軍曹が頭を撃ち抜かれる。
あわてた分隊は岸に上がるが、無線機も地図も沼に沈めてしまった。プール軍曹に代わってキャスパー軍曹が指揮をとることとなるが、どうも能力的に疑問が残る。リース伍長はプール軍曹の弔い合戦とケイジャンを攻撃しようと主張するが、キャスパー軍曹は遺体を運びながらキャンプを目指すこととする。リース伍長は実弾を密かに携帯しており、全員に実弾を分配する。
ケイジャンの小屋を発見。そこでキャスパー軍曹らはケイジャンの生け捕りを計画するが、後方待機を命じられていたボーデン伍長が一気に突入し、ケイジャンを制圧する。小屋には食料や武器がたくさんあったが、気の触れたボーデン伍長は火を付けて灰燼にしてしまう。
一行はケイジャンを人質に進んでいくが、ウサギの皮が8つぶら下がっている所に遭遇し、不気味に感じる。その後猟犬に襲われ、先頭を歩いていたクリブス上等兵が罠で死亡する。スペンサー上等兵はケイジャンを解放しようと提案するが却下された。次第にキャスパー軍曹の指揮は混乱してきた。ボーデン伍長はついに気が触れてしまう。リース伍長はケイジャンを拷問し、それを止めようとしたハーディン伍長はリース伍長を殺してしまう。その隙を突いて、ケイジャンは逃げていった。
ついにスペンサー上等兵が指揮をとることになった。途中でシムズ上等兵がケイジャンをみつけて銃を乱射。さらに埋めたはずの遺体がぶら下がっており、次々に木が倒れてくる。混乱した分隊は銃を発射するがケイジャンを倒すことは出来ない。上空に捜索のヘリが来るが、彼らを見つけられなかった。
[ネタバレ反転]
退却の際にスタッキー上等兵は底なし沼に飲み込まれた。それを知らない小隊は行方不明のスタッキー上等兵を捜索するため、分隊はスペンサー上等兵ら3名とキャスパー軍曹の二手に分かれる。キャスパー軍曹はケイジャンを発見し突撃するが戦死。シムズも撃たれて戦死する。
残った3名は野営し、朝起きるとそぐそばに列車の線路があった。そこにはボーデンが首をつられて死亡していた。そしてあのケイジャンの姿がある。ケイジャンは西に向かって行けと見逃してくれる。
スペンサー上等兵とハーディン伍長はトラックに遭遇し村に連れて行って貰う。しかしそこはケイジャンの村だった。一見敵意はないようだが、油断はできない。そこにカヌーに乗った2人のケイジャンがやってくる。彼らこそが敵であり、二人は協力して二人のケイジャンを倒して村を脱出する。上空にヘリが飛来し、米軍のトラックが近づいてきた。




訓練中、湿地帯に迷い込んだルイジアナ州兵の一分隊が些細な出来事から恐怖に巻き込まれる。ケイジャンとは、18世紀以前にアメリカに移住したフランス系住民のうち、ルイジアナ州に住み着いた人々の子孫で、密林の中で文明から取り残されたような独自の生活文化を育んでいます。本作での姿なき現地民の追撃に震える兵士たちの物語はジョン・ブアマンの「脱出」を思わせますが、むせ返る湿度を感じるルイジアナの自然描写とライ・クーダーの音楽、凡百のホラー監督では味わえない斬新な恐怖演出で、かなり不気味な一編に仕上がっています。実際のケイジャンはエスニック料理や音楽などで有名で、素朴な人々のようです。「ロング・ライダーズ」と「48時間」の間に作られた、ウォルター・ヒル監督絶頂期の唯一の劇場未公開作品です。見たのはテレビ東京の午後の映画枠です。
 Satans Triangle

『魔のバミューダ海域』 Satan's Triangle (1974・米) TVM
監督/サットン・ローリー
製作/ジェームズ・ロコス
製作総指揮/ポール・ユンガー・ウィット、トニー・トーマス
脚本/ウィリアム・リード・ウッドフィールド
撮影/レナード・J・サウス
音楽/ジョニー・ペイト
出演/キム・ノヴァク、ダグ・マクルーア、アレハンドロ・レイ、ジム・デイビス、エド・ローター、マイケル・コンラッド

嵐の夜、バミューダ三角海域からの救難信号をキャッチした沿岸警備隊。晴れ渡った翌朝、敬虔な老操縦士パニョリーニ(マイケル・コンラッド)とお調子者の救助隊員ヘイグ(ダグ・マクルーア)の救難ヘリが現場へ赴き、漂流するヨットを発見する。帆柱からは男が逆さまにぶら下がり、死んでいるようだ。拡声器で呼びかけるが、応答はなかった。本部への通信も、天候状態のせいか雑音で繋がらず、ヘイグはヨットへ降下する。甲板ではもう一人の死体を発見し、船内へと入った。その時、急に天候が悪化し、稲光がまたたく。船内階段の踊り場では、男が宙に浮いて死んでいた。その側では、美しい女性エヴァ(キム・ノヴァク)が怯えていた。ヘイグは彼女をヘリの救助カゴに載せ救助しようとするが、ロープが切れ失敗する。機器の不調のため、パニョリーニの操縦するヘリは引き返した。船内に戻り、二人は濡れた服を着替えた。酒で身体を暖めながらヘイグはエヴァに、このヨットで何が合ったかを聞く。

その日、富豪ハル・バンクロフト(ジム・デイビス)と娘エヴァがチャーターしたヨットの一行はカジキ釣りを楽しんでいた。その最中、古参船員フアノ(ジト・カザン)が転覆した小舟に蹲り漂流するピーター・マーティン神父(アレハンドロ・レイ)を発見する。海上の聖職者に船員たちは不吉なものを感じるが、ストリックランド船長(エド・ローター)は収容を決定。しぶるバンクロフトと対立しながらも、船員たちは神父を助け上げる。衰弱した神父が舷側をまたいだ瞬間、霧が出て天候が悪化し稲光がまたたいた。怯えた船員たちは、モーターボートでヨットから逃げ出した。ヨットに残ったのはバンクロフト、ストリックランド船長、古参船員フアノ、エヴァ、そしてマーティン神父だった。
バンクロフト、エヴァ、神父の夕餐時、船長が無線や機関の不調を報告した。神父はバミューダ三角海域の怪奇現象を語るが、船長もバンクロフトも、それを笑い飛ばした。エヴァは神父の語る「悪魔はそのエリアに入った人間をテストしている」という言葉に戦慄をおぼえた。天候はさらに悪化し、ヨットは無線も機関も船員もなく嵐のなか、なすすべも無く漂流するのみだった。一人気を吐いたのは、暴風雨を無視して釣りに興じる、バンクロフトだけだった。諌める船長とバンクロフトが言い争い、舵をとるフアノは酒を煽り空になった瓶を海へ投げた。やがてバンクロフトは大カジキを釣り上げ、嬉々としてトロフィーのように船内に掲げた。
嵐は激しくなり、神父に舵を任せて船長はエンジンを修理、フアノは索が切れて暴れる帆を畳もうとする。突如、ヨットが大きく揺れ、船長が甲板を割って現れ、下半身を甲板に突き刺したまま張り付けのようになって絶命した。駆け寄ったエヴァは恐ろしさに固まり、神父は彼女をその場から連れ出そうとする。フアノはいつの間にか消えていた。船は木の葉のように揺れ、風は叩きつけ、稲光は炸裂する。
バンクロフトは階段室に閉じ込められ、必死でドアを叩く。神父とエヴァはなんとかドアを開けようとするが、ヨットが傾いた瞬間、バンクロフトは階段を落ちた。神父がドアを蹴破り、二人が階段を降りるとバンクロフトは宙に浮いたまま死んでいた。エヴァは失神した。
目覚めたエヴァに神父は、救難信号は発信されているので沿岸警備隊がすぐに救助に来ると話すが、エヴァは悪魔のテストには誰も生き残れないと絶望する。神父は自分のロザリオをエヴァの首にかけた。その時、神父が何かを聞いたと言い出す。救難ヘリが来たと喜んで甲板に飛び出し空を指差す神父だが、エヴァには何も見えず聞こえなかった。急いでマストを登る神父を必死で止めるエヴァ。しかしマスト上で信号銃を射った神父は、そのまま落下し足をロープにひっかけ、衝撃で神父の首は折れた。逆さまにぶら下がったまま神父は死んだ。エヴァは絶叫した。

一部始終を聞いたヘイグは、神も悪魔も信じないと怪奇現象を笑い飛ばした。夜になっていたが、マストにぶら下がる神父を見上げる。興奮していた神父は幻聴を聞き、錯乱してマストを登り、信号銃の反動で足を滑らせた。次に船長の所へ行き、激浪がヨットを突き上げ、船長は上へ投げ出され天井を破ったときに首を折ったと説明。フアノは暴れる帆桁にぶち当てられ、酔っていたため対処できずに海へ投げ出された。最後にバンクロフト。ヘイグが彼の死体を手前に引くと、客間の扉から突き出した大カジキの角に刺さって浮いているように見えたと判明。すべての怪奇は、論理的に検証された。悪魔などいなかったのだ。エヴァに笑顔が戻った。その夜、ヘイグとエヴァは結ばれた。一糸まとわぬ姿で、ロザリオも外して……。翌朝、パニョリーニの救難ヘリが、沿岸警備艇とともに戻ってきた。
[ネタバレ反転]
ヘイグとエヴァは警備艇に収容され、甲板に着艦したヘリで飛び立ち、陸を目指した。開放出入口をネットで覆い、二人はキャビンで語らう。ヨットでは、警備艇のクルーがリストを手に現場検証を行っている。艇長からヘイグに無線で問い合わせがくる。マストにぶら下がっているのは神父だという証言だが、女性が死んでいると。呆然とするヘイグ。キャビンにはエヴァはおらず、不気味な神父が笑っていた。
怒りを浮かべるヘイグに「お前は私のものだ」と囁く神父が触れると、ネットが外れてヘイグは宙に投げ出され、高空から海面に叩き付けられた。「何が欲しいのだ」と神父に問うパニョリーニ。「私が何者か分かるか。私が欲しいものをくれれば助けてやろう」 「断る!」 操縦桿が下がり固定される。必死に立て直そうとするパニョリーニ。 「私が欲しいものを寄越せ! 寄越せ! 寄越せ!」 「いやだ! いやだ! いやだ! ……神よ」 。ヘリは墜落し、海の藻くずとなった。
海には、うつぶせのヘイグの死体が漂っている。その側に神父が浮き上がる。地の底から響くような笑い声をあげると、神父は消えた。ヘイグの頭が持ち上がり、歪んだ笑顔を浮かべる。近づいてくる沿岸警備艇に手を振るヘイグ。地の底から響くような笑い声をあげていた。




魔のバミューダ海域で遭難船を発見した海難救助隊員を襲う恐怖を描いたTVムービー。船や飛行機が忽然と姿を消す事で有名になった謎の三角地帯、バミューダ・トライアングルを、SF的アプローチでなくオカルト的な発想で描いた異色作です。ミステリー・タッチで怪奇現象が論理的に解き明かされていく過程は、スリリング。ラストは、怖〜。放映したのはなんとNHKです。子どもの頃、夏休みに親戚が集まっている中で駄々をこねて見させてもらって、皆をドン引きさせた記憶があります(汗)。ぜひまた放映して欲しい作品です。昔、別題でパステルビデオからVTRソフトが出ていたそうですが、不明にして知りませんでした。検索しても出て来ない……。『恐怖の酷寒地獄・雪山宇宙研究所の謎』と共に、どこか奇特な通好みの会社が、DVDをリリースしてくれないものでしょうか。もちろんTV放映時の吹き替え音声入りで。www

※未ソフト化(暫定)
A Cold Nights Death poster

『恐怖の酷寒地獄・雪山宇宙研究所の謎 (白い恐怖) (1973・米) TVM
A COLD NIGHT'S DEATH
監督/ジェロルド・フリードマン
製作/ポール・ユンガー・ウィット
製作総指揮/レナード・ゴールドバーグ、アーロン・スペリング
脚本/クリストファー・ノップ
撮影/レナード・J・サウス
美術/ローランド・M・ブルックス
編集/デヴィッド・バーラツキー
音楽/ギル・メレ
出演/ロバート・カルプ、イーライ・ウォラック、マイケル・C・グウィン

吹雪に見舞われたタワー・マウンテン山頂の研究所から、錯乱した連絡が入った。だが、途中で謎の言葉を残し途絶えた。そこでは、宇宙空間での隔絶した人間の状態を予測するため、数種類のサルを使った長期の実験が行わていた。原因究明のために赴いたフランク・イナリィ(イーライ・ウォラック)とロバート・ジョーンズ(ロバート・カルプ)の二人の科学者が施設を調べるとヒーターが切られていて、飼育室のオリの中のサルたちはみな凍死寸前であり、一匹だけ放し飼いになっていたチンパンジーのジェロニモも、あわや死ぬ寸前まで衰えていた。
次に電気室では先任の科学者が、通信機の前に座ったまま凍り付いて死んでいた。なぜか窓が開けっ放しで、室内は雪だらけで極寒の状態だった。ドアはカギもかからず、いつでも出られる状態にあった。結局、科学者は孤独な生活で気が狂い、部屋に閉じこめられたと錯覚して窓を開けて脱出しようとしたのだと推測した。最終的な結論は、死の間際まで録音されていたテープレコーダーを、解凍して再生するまで待つことになった。遺体を回収し、ヘリは帰途についた。こうしてこの山頂の研究所には二人の科学者が残り、研究を続けることになった。
二人は共同研究者であったが、フランクが志願したのでロバートも無理矢理付き合うことになり、感情面で対立するようになる。余計な軋轢を避けるため、料理も掃除もフランクが引き受け、ロバートには水を確保するために、外から雪をかいて給湯室に投げ込む仕事だけを頼んだ。
しばらくして暖かさが回復してくると、飼育室の「ジュリー」「アレー」などと命名されたチンパンジーやオランウータンなど多種多様なサルたちも、チンパンジーのジェロニモも、みな元気を取り戻した。そこで、サルたちを使った実験が再開された。食事を減らしていく実験、寒さを体感させる実験。チンパンジーのジェロニモだけは放し飼いにして、特別扱いにした。極限状況を体験させる実験を続けるうち、サルたちはお互いに対立して争うようになった。それを見て怯えるチンパンジーのジェロニモ。
そんな時、給湯室でロバートが水をつくっていたところ、いつの間にか部屋のドアにカギがかかっていた。鍵を持っていたから閉じこめられずに済んだものの、ロバートはこの研究所にただならぬ気配を感じていた。だがフランクは取り合わず、ロバートの考えすぎだと一笑に付すだけだった。その夜、ロバートは騒音で目が覚め、調べると飼育室のオリの中のサルたちが大騒ぎをしていた。その側では、電気室のドアがかすかに開いていた。電気室に入ると、誰も触れていないはずの計器が作動していた。さらに部屋の寒さに気づくと、窓が開きっぱなしになっている。窓を閉めようとするうち、今度はドアがいつの間にか閉じようとしていた。間一髪ドアを開いて事なきを得たが、またしても部屋に閉じこめられそうになった。ドアの外には誰もいなかった。
翌朝、今度は発電器が停止した。このままでは研究所が凍り付くため、あわてて発電器を直して事なきを得た。だが、原因に対して疑問が残った。施設に対する不審を指摘するロバートに、意外にもフランクが憤慨した。フランクは昨夜ロバートが起き出したことを知っていたため、ロバートを疑うフランク。今まで抑え込んでいた不満も手伝って怒りが爆発した。そんなフランクにあくまでロバートは、この研究所には「何か」がいると主張する。だがフランクは、ロバートが科学者の死の真相を想像して考えすぎたあまり、錯乱状態になったと決めつけた。
両者の関係はひたすら険悪なものとなった。ロバートを疑い、彼が主張する謎を馬鹿げていると言い張るフランク。しかしロバートは、そんなフランクがこの研究所に来て以来、あの電気室に立ち入らないことに気づいていた。君も科学者の死に不審を抱いているのではないかと、懸念を指摘されたフランクは、さらに感情をこじらせてその場を後にする。その深夜、またしても物音に眼を覚ますロバート。起き出して研究室にやって来ると、フランクが深夜にも関わらず動物実験を繰り返していた。憤るロバートにフランクは、真相を掴んだと迫る。その血走った形相にロバートは不吉な予感に襲われた。案の定、フランクは被害妄想に取り憑かれていた。これまでの変事は一切合切、ロバートの仕業と決めつけた。「君の実験対象はサルじゃない、この俺を使って人体実験をしていたんだ!」と。逆上したフランクには今何を言っても逆効果だと、ロバートはとにかく明日話し合おうとその場を納めるしかなかった。
ところが翌朝、今度は水道がやられシャワーが止まった。給湯室を調べると雪を溶かす装置が止まっている。おまけに研究所の品々がとっ散らかって食料も大半がダメになっていた。フランクはまたしても全てをロバートのせいにして、ヒステリックにその人間性まで責める荒れようだった。ところが激しい物音がして慌てて駆けつけてみると、あのチンパンジーのジェロニモが暴れている。全ての元凶を知り、放し飼いするのは危険だと気づいた二人は、オリに閉じこめた。
気まずそうに謝罪するフランクだが、もうロバートは口をきく気もなくしていた。改めて雪をかき、水をつくりにいくロバート。一方、フランクが飼育室を覗くと、チンパンジーのジェロニモがいなくなっていた。慌てて施設中を探すと、ジェロニモは無惨な死体となり戸棚に隠されていた。
[ネタバレ反転]
外で雪かきをしていたロバートは、作業中にある事を思い出した。死んだ科学者が残した謎の言葉……ナポレオン、アレキサンダー……みんな征服者の名前だ。そして飼育室のサルたちの名前を思い出してみると、「ジュリー」はジュリアス・シーザー、「アレー」はアレキサンダー大王……それらもみんな征服者からつけた愛称ではないか。
寒さと気圧にぐったりしながら急いでロバートが室内に戻ろうとすると、扉には鍵がかかっている。このままでは凍死してしまうと、重たい体を引きずりながら、給湯室の雪の投げ込み口から何とか研究所内に入り込んだ。だが、凍えるロバートを待っていたのは、血塗れのチンパンジー・ジェロニモの死体を抱き、ピストルを構えたフランクだった。彼はまたしてもロバートが錯乱して、ジェロニモを殺したと思い込んでいたのだった。全力で否定するロバートは、「俺たちがサルに恐怖を与えると、奴らも俺たちに恐怖を与えた。俺たちがサルから食料を奪うと、奴らも俺たちから食料を奪った。俺たちがサルに寒さを与えると、奴らも俺たちに寒さを与えた。奴らは俺たちに報復しているんだ。それが分からないのか?」と、説得しようと迫る。
だが怯えたフランクは、ロバートをピストルで射殺した。撃った直後に激しく後悔にさいなまれるフランク。そこに突然、先日のフランクとロバートの激しいやりとりが聞こえてくる。「君が俺を実験台にしてたんだ!」「バカな、俺はやってない!」「君には人間性ってものがないのか!」慌てて音のする電気室に飛び込むフランク。すると目の前でテープレコーダーが回っている。あの一部始終がテープに録音され、それが今再生されているのだ。だが、一体誰がそれを録音し、誰が再生しているのか?
ふと寒さに気づくと、窓が開いている。フランクは必死に窓を閉めようとするが、窓には何か仕掛けられているのかまるで閉じない。しかも背後に振り返ってみると、ゆっくりとドアが閉じていった。ドアに飛びつき開けようとしても、ドアには鍵がかけられていた。部屋に閉じこめられたフランク。窓は閉じられない。否応なしに厳しい寒気が吹き込んでくる。いまやフランクは、自分が罠にハマったことを実感した。あの死んだ科学者が陥ったのと同じ罠に。ドアの窓からは、サルのアレキサンダーが冷徹な目で、じっと室内を見つめていた。




TVムービーの低予算を逆手に取っての限られた空間と少ない登場人物で、ストーリーの妙と雰囲気で見せるスリラー。派手なSFXなどない地味〜な画面なのに、役者の力演と物語の語り口だけで見せる極上な小品です。何度かテレビ東京の昼枠で見ましたが、最近やってくれないのが不満です。ぜひ保存しておきたい作品ですね。ギル・メレの電子音を使った不気味な音楽は、不安感を煽ってすんばらしく怖いです。

※画像は欧州版ポスター
黄金のランデヴー
黄金のランデヴー
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『黄金のランデヴー』 Golden Rendezvous (1978・英/南ア)
監督/アシュレー・ラザルス、フレディ・フランシス(クレジットなし)
脚本/スタンリー・プライス、アラン・スコット、クリス・ブライアント
原案/ジョン・ゲイ
原作/アリステア・マクリーン
製作/アンドレ・ピータース
製作総指揮/マーレイ・フランク
音楽/ジェフ・ウェイン
撮影/ケン・ヒギンズ
編集/ラルフ・ケンプレン
出演/リチャード・ハリス、アン・ターケル、デイヴィッド・ジャンセン、バージェス・メレディス、ジョン・ヴァーノン、ドロシー・マローン、ゴードン・ジャクソン、リー・ロンソン、ロバート・ビーティ

そこは嵐のカリブ海──目的は何か? 誰が企んだのか?
いま始まる原爆と金塊の危険なランデブー!


南アメリカの港町カラッチオでは、間もなくカリビアン・スター号が出港しようとしていた。この船はごく普通の貨客船であるが、客室12室でうまい料理を食べさせる、乗客は大金持だけという変わった船でもあった。船が出港した最初の夜に事件は起こった。スチュワードと無線室の士官が殺され、無線機が壊されたのだ。船長は、早速各船室の捜索を密かに命じる。一等航海士ジョン(リチャード・ハリス)は、無線室に近い客室より捜索をし、マイアミに癌の手術を受けに行くセルダン老の部屋が怪しかった。なくなった無線機はなかったが、上の無線室からコードを引いたあとがある。ジョン達は拳銃を持ってセルダンと同行の甥トニー(リー・ロンソン)、看護婦を逮捕しに、メイン・ダイニングに向かう。そのとき、どこから共なく現れた兵士たちと射ち合いになり、船長は死亡、ジョンも倒れた。トニーとカレラス(ジョン・ヴァーノン)、そして10名程の兵士たちにより、乗客と船員はメイン・ダイニングに監禁される。そして、ジョンは重傷の振りをして機会をうかがう。彼の看護にあたっているのは、乗客の1人スーザン(アン・ターケル)。船医マーストン(ゴードン・ジャクソン)は、ヤブ医者だったが勇気だけは持ち合わせている。
ジョンとスーザンは、見張りの目をかすめ、セルダンの部屋に忍び込んだ。そこにはセルダンが縛られていた。実は彼はセルダンではなく、トルーマン(ロバート・ビーティ)という科学者で、彼は誘拐され、彼の発明した小型原爆と一緒に連れ込まれたらしい。一味が狙ったのは、金塊輸送船ユニコーン号。カリビアン・スター号がSOSを発信すれば、近くを航行しているユニコーン号が助けに来て接舷する。そこをジャックしようという計画だったのだ。ジョンは病室にいったん戻り、深夜になり再び甲板に登る。そこではカレラスに看視され、トルーマンが原爆をセットしていた。おりしも嵐。ジョンはカレラスの去った後、トルーマンを助け、原爆の入っていた棺桶に彼を入れ、病室に戻る。やがて、SOSが発信され、間もなくユニコン号はカレラスらにジャックされた。
[ネタバレ反転]
カリビアン・スター号の乗客と船員はユニコーン号に移され、金塊はカリビアン・スター号に移される。勿論、原爆はユニコーン号へ……。爆発まであと24分。セットを解くにはカレラスの持つキイがいる。ジョンはカリビアン・スター号に乗った。一味を続々と射ち殺し、カレラスも射ち殺したジョン。だが、キイはない。しかも火災が発生しはじめた。追い詰められるジョンたちだが、隣のカリビアン・スター号のメイン・ダイニングに乗客の1人のヒューデル(B・メレディス)がいるのを発見する。奴こそ主犯なのだ! 
ジョンは、彼にキイをわたすようにせまった。「ユニコーン号の原爆か、この船の火災か、賭けだな」とニヤリと笑って、キイを渡すヒューデン。時間がない。ジョンは海にとび込んだ。と、1人の男が彼を銃で狙う。だが、ユニコーン号よりスーザンがその男を射った。やがて、ジョンはユニコーン号にたどりつき、トルーマンの手によって、原爆のセットは解除された。だが安心したジョンの目前では、ヒューデルを乗せたまま爆発をはじめたカリビアン・スター号が、海に沈もうとしていた。




アリステア・マクリーンの同名原作の映画化作品。主人公が孤軍奮闘して敵を翻弄し、満身創痍で戦うという「元祖ダイ・ハード」的な作品です。無駄をそぎ落としたコンパクトな筋立てでテンポが早く、今みてもさほどダレません。主演のR・ハリスの体を張った活躍は「究極の困難のなかで九死に一生を得て目的を完遂する」というマクリーンの冒険小説の特色が色濃く出ています。

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『デクスター/警察官は殺人鬼』 DEXTER (2006─)
原作/ジェフ・リンジー
製作/ドリュー・Z・グリーンバーグ、ロバート・ロイド・ルイス、デニス・ビショップ
製作総指揮/ジェームズ・マノス・Jr、ジョン・ゴールドウィン、サラ・コレトン、クライド・フィリップス
監督/マイケル・クエスタ、ロバート・リーバーマン 他
脚本/ティム・シュラットマン
音楽/ダニエル・リット
出演/マイケル・C・ホール、ジュリー・ベンツ、ジェニファー・カーペンター、エリック・キング、ローレン・ヴェレス、デヴィッド・ザヤス、ジェームズ・レマー 、 C・S・リー

彼の名はデクスター・モーガン。
善良な警察官にして天性のシリアルキラー。
だが殺すのは──凶悪な犯罪者のみ。



オープニング映像

マイアミ警察の優秀な血痕鑑識官として働くデクスター・モーガンには、もう一つの顔があった。それは自らの殺害欲求を抑えられない「シリアルキラー」としての顔。しかし、彼が狙うのは彼独自の基準に適った凶悪な犯罪者のみ。
幼少期、彼を理解する里親である刑事ハリー・モーガンにより、抑えきれない殺人欲求を解消するための教えを受けたデクスター。無感情の身に温厚で愛想の良い仮面をつけ社会に溶け込み、標的は法を逃れた凶悪犯、警察の追跡をかわす方法を学び、「ハリーの掟」を忠実に守っている。
デクスターは優秀な鑑識官として事件を解決する一方で、法で裁き切れない凶悪犯を己の衝動に因って次々と殺害していく。



主人公は「シリアルキラー」である、というネタばれから始まるストーリー。なので、ドラマのわりと早い段階で視聴者には「冷凍庫キラー」の正体や、デクスターとの関わりなどもわかってしまいます。知らぬは本編の登場人物たちだけ。いわゆる「志村、後ろ後ろ!」ですね。普通なら忌避されるべき主人公に、いつの間にか感情移入してしまっています。インモラルな題材を扱いながら暗さや憂鬱さ、残虐性を感じさせない作風。ラテンのリズムにのせて、複雑怪奇、奇妙な味の話がテンポよく進んでいきます。時にシニカル、時にユーモアたっぷりなデクスターのモノローグが、正義と悪の価値観の境界線に揺さぶりをかけてきます。おすすめの連続ドラマです。

※シーズン6までリリース中。

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『ブラック・サンデー』 Black Sunday (1977・米)
監督/ジョン・フランケンハイマー
脚本/アーネスト・レーマン、ケネス・ロス、アイヴァン・モファット
製作/ロバート・エヴァンス
製作総指揮/ロバート・L・ローゼン
音楽/ジョン・ウィリアムズ
撮影/ジョン・A・アロンゾ
出演/ロバート・ショウ、ブルース・ダーン、マルト・ケラー、フリッツ・ウィーヴァー、スティーヴン・キーツ、ベキム・フェーミュ、マイケル・V・ガッツォ、ウィリアム・ダニエルズ、クリスティ・マクニコル、ウォルター・ゴテル、クライド・クサツ

1970年代のアメリカ。ベトナム戦争で捕虜となったマイケル・ランダー(ブルース・ダーン)は屈辱の境遇で精神的に切り刻まれる。さらに解放され帰国した彼を祖国で待っていたのは、妻の裏切りと世間の冷たい視線だった。裏切られた事実に静かな怒りを燃やす彼が思いついたのは、アメリカ最大の娯楽であるフットボールの最高峰、スーパーボウルの観客皆殺しだった。すり鉢型の観客席の上空を飛ぶコマーシャル用の飛行船を操船するランダーは船の下部に船底型に成型したプラスチック爆弾を取り付け、爆発の威力で外側に埋め込んだ22万のフレシェット弾が隙間なく客席へ飛来し、同時に人間の体を破壊するアイデアを着想する。しかし国内で強い爆発力を持つプラスチック爆弾を入手するのは困難であり、伝手を辿ったランダーが実行したのはテロ集団「黒い九月」指導者への協力要請だった。
一方、テロリスト暗殺を任務とするイスラエル諜報特務庁の殺し屋、カバコフ少佐(ロバート・ショウ)はアメリカ国内でのテロ活動を察知、正体不明の男の影を追ってアメリカに渡る。追う者と追われる者の死闘が始まろうとしていた。



『羊たちの沈黙』などの作家トマス・ハリスのベストセラー小説の映画化。ジョン・フランケンハイマー監督のダイナミズムが光るアクション・スリラー大作です。ドキュメンタリータッチで冷徹に出来事を積み重ねていきながら、追う者と追われる者の情念が息苦しいほどの緊迫感を盛り上げます。重厚な語り口で見せる、大人のエンタテインメントになっています。

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『パララックス・ビュー』 THE PARALLAX VIEW (1974・米)
監督/アラン・J・パクラ
製作/アラン・J・パクラ
製作総指揮/ガブリエル・カツカ
原作/ローレン・シンガー
脚本/デヴィッド・ガイラー、ロレンツォ・センプル・Jr
撮影/ゴードン・ウィリス
音楽/マイケル・スモール
出演/ウォーレン・ベイティ、ウィリアム・ダニエルズ、ヒューム・クローニン、ステイシー・キーチ・Sr、ポーラ・プレンティス

要人暗殺が平然と行われている現代アメリカ! 
秘密組織「パララックス」から黒い影が伸びたとき……目撃者は消され証拠は消えていく!


シアトルの万博会場跡にそびえる宇宙塔の展望ルームで、次期大統領候補と目されるキャロル上院議員が兇弾に倒れた。この事件の調査委員会は狂信的愛国者の単独犯行であると発表し、そのまま事件は忘れさられた。
3年後、ロサンゼルスの地方紙の新聞記者ジョー・フラディ(ウォーレン・ベイティ)の下宿に女性ジャーナリストで恋人でもあったリー・カーター(ポーラ・プレンティス)が訪問した。彼女は、キャロル上院議員が暗殺されたときすぐそばにいた20人近い人間の一人だったが、3年間にそのうちの6人が不慮の事故で死亡し、やがて自分も殺されると、ひどく怯えていた。ジョーはその話を一笑に付したが、数日後、リーは死体となって発見された。死因は睡眠薬の飲みすぎだという。
[ネタバレ反転]
この事件に疑惑を抱いたジョーは、やはり殺人現場にいた判事が魚釣りに出かけた谷川で事故死したことを知り、その小さな町を訪ねた。保安官はジョーをその事故現場に案内すると、いきなり水門を開け、彼を溺死させようとするが、烈しい格闘の末、ジョーだけが助かった。彼はその足で保安官の家に忍び込み、彼の机の引き出しから“パララックス・コーポレーション”という会社の就職願書と適性テスト用紙を発見した。
社に帰ったジョーは編集長のリンテルズ(ヒューム・クローム)から叱言を言われるだけで、信じてはもらえなかった。ジョーは例の願書を大学の心理学研究所に持ち込んでテストしてもらったところ、それが巧妙に反社会的な性格をもつ人間を選びだすことを目的としたものと判明した。彼は今度はキャロル上院議員の選挙参謀だったオースチン・タッカー(ウィリアム・ダニエル)の行方をさぐる。事件以降、姿を消していたタッカーはやっとジョーに会うことに同意したが、二人の乗ったヨットが爆発し、死亡した。奇蹟的に助かったジョーの姿を見て今度はリンテルズも信じないわけにはいかなかった。
ジョーは最後の手段としてパララックス社に潜入する決意をかためた。やっとのことで入社を認められたジョーは、そこでキャロル上院議員の暗殺現場に給仕として雇われていた男を目撃した。黒いカバンをもった男の行先は飛行場だった。男はカバンを国内線のカウンターにあずけた。だがジョーが離陸直前にその飛行場に乗り込んだが、男の姿はなく、その代わりに一等客室に政界の大立者といわれる議員が乗っていた。時限爆弾による暗殺だと直感したジョーは、飛行機をロス空港に引き返すよう要請した。乗客が機外に脱出すると同時に飛行機が爆発した。前後してジョーの活動を知っているリンテルズも暗殺者に毒殺される。
ジョーはパララックスが次の暗殺犠牲者としてじき大統領候補であるハモンド上院議員をマークしていることを知るとその選挙演説が行われる会場にもぐり込んだ。リハーサルが終わると、ハモンド目がけて銃声が響いたが、ジョーは屋根裏にとじこめられていた。四方八方からじりじりと彼を追いつめる暗殺者たち。やがてその屋根裏に銃声が響きわたった。
数カ月後、政府の調査委員会は事件の報告を行った。
「ハモンド上院議員の暗殺は、精神錯乱をきたしたジョー・フラディの単独犯行である……」




後年『大統領の陰謀』を撮る、監督アラン・J・パクラ&撮影ゴードン・ウィリスの最強コンビによるポリティカル・スリラーの傑作です。その緊張感は、昨今のサスペンス作品などでは体験出来ないほどギリギリと、見る者の精神を締め付けてきます。それとコントラストをとるように、無駄のないアクションと特殊効果があいまった迫力の映像など、ゆるむ要素がありません。70年代アメリカの政治に対する不信感と価値観の混乱を見事に描いた作品です。

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『デッド・ゾーン』 The Dead Zone (2002─2007・米) 全80話
製作総指揮/ロバート・リーバーマン、マイケル・ピラー、ロイド・セーガン
監督/ジョン・カサー、ロバート・リーバーマン、ジョン・ラフィア、マイケル・ロビソン、ジェームズ・A・コントナー
製作/ピーター・ロトゥカ、ロバート・ペトロヴィッツ、ショーン・ピラー
企画/マイケル・ピラー、ショーン・ピラー
原作/スティーヴン・キング
音楽/ジョエル・ベッカーマン
出演/アンソニー・マイケル・ホール、ニコール・デ・ボア、クリス・ブルーノ、ジョン・L・アダムス、デヴィッド・オグデン・スティアーズ、クリステン・ダルトン、ショーン・パトリック・フラナリー、ビル・マンディ、スペンサー・アクチミチュク、マーティン・ドノヴァン、フランク・ウェイリー、サラ・ウィンター、ジェニファー・フィニガン、カーラ・ブオノ

高校教師のジョニー(アンソニー・マイケル・ホール)は、婚約者サラ(ニコール・デ・ボア)との結婚を控えて幸福な日々を過ごしていたが、ある日、交通事故に遭って昏睡状態に陥ってしまう。
それから6年。長い眠りから目覚めた時、彼を取り巻く世界は一変していた。恋人サラはすでに他の男と結婚し、唯一の肉親であった母親は他界していた。
そしてジョニーの身には、触れた人間の過去や未来が「ビジョン」として体感できる未知の超能力が備わっていたのだ。その不思議なパワーは、ジョニーを想像もしない数奇な運命へと導いていく。
サラとサラの夫の警官ウォルト(クリス・ブルーノ)、理学療法士ブルース(ジョン・L・アダムス)の助けを得て、ジョニーは超能力を駆使して犯罪を解決し始める。
運命に翻弄されるジョニーの葛藤と、そのパワーを活かして様々な事件や謎に挑む姿を軸に展開する物語。サスペンス、ミステリー、SF、ヒューマンドラマ、ラブストーリーなど多彩なエピソードが綴る壮大なドラマ。



ドラマ版のジョニーは望まず身に付けてしまった能力に悩み、驚き、葛藤し、人に理解されないことも多い人生ですが、それでいて普段は意外と飄々と生きています。時には怒りを爆発させることもある熱血漢。そんなジョニーの明るい人間性が、ドラマを動かす原動力となります。また、映画とではだいぶ人物関係が変っていて、いまだに愛しているサラ、協力者でサラの夫ウォルト、サラの息子(父親は……)JJとの関係がスリリングです。ジョニーを支えるブルースの存在も欠かせません。いろいろな趣向のエピソードの軸となる、スティルソンをどうやって阻止するのかというシリーズを通した危機が、物語を引き締めています。

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『デッドゾーン』 The Dead Zone (1983・加)
監督/デヴィッド・クローネンバーグ
脚本/ジェフリー・ボーム
製作/デブラ・ヒル
製作総指揮/ディノ・デ・ラウレンティス
撮影/マーク・アーウィン
音楽/マイケル・ケイメン
出演/クリストファー・ウォーケン、マーティン・シーン、ブルック・アダムス、ハーバート・ロム、トム・スケリット、アンソニー・ザーブ、コリーン・デューハースト、ニコラス・キャンベル、ショーン・サリヴァン、ジャッキー・バローズ

ジョニー・スミス(クリストファー・ウォーケン)はニューイングランドの若き教師であり、同僚のサラ(ブルック・アダムス)と恋愛関係にあった。ある日ジョニーは大きな自動車事故に巻き込まれ、昏睡状態に陥った。
神経科医ウェイザク(ハーバート・ロム)の治療の下で、ジョニーは昏睡から目覚める。身体にはギプスや包帯、また目立つ傷跡はまったくなかった。いぶかしむジョニーは、意識を失ってから5年もの歳月が経っていると知らされ、愕然とする。恋人のサラはすでにほかの男性と結婚して、子供もいることを知り彼は絶望に落とされた。
ある日、看護婦の手が触れたとき、彼女の家が火事で娘が泣いているビジョンが浮かび、子どもは事なきを得た。事故での頭部の怪我の影響により、他人の過去や現在、未来の秘密を、彼がその人やものに触れることによって知覚できるという超能力が発現したのだ。
[ネタバレ反転]
それを機に、ジョニーの人生はそれまでとは変ってしまった。ジョニーはしぶしぶながら地元保安官の協力要請に応え、残忍な連続強姦殺人事件を解決する。
サラが子どもと訪ねて来た。二人は別れとしての愛を確かめ合った。
その後、ジョニーは再び働こうと家庭教師をはじめた。しかし、そこでもジョニーの超能力は、彼を悩ませた。さらにウェイザクとの会話で「力」が強くなるに従って衰弱し、最後には命が尽きると分かり、残り時間があまりないことを知る。
あるとき、新進の地元政治家グレッグ・スティルソンが街頭演説の握手会をしている場に迷い込み、彼となりゆきで握手した瞬間、ジョニーは恐るべきビジョンを得た。いつの日かアメリカ合衆国大統領に選出されたスティルソンが、核戦争をはじめる姿だった。
ジョニーは苦悩の末、スティルソン抹殺を決断する。ライフルを購入し、演説会場に潜入し、演壇を見下ろす会場後ろの二階回廊で朝を待つ。
演説を始めるスティルソンを射とうと立ち上がるジョニー。壇上の後援者席にはサラと夫、子どもが。気を散らせた銃弾は、演壇に当たる。次の瞬間、スティルソンはサラの子どもを盾にして抱え上げる。躊躇うジョニーを、護衛の銃が打ち倒す。階下に墜ちるジョニーにスティルソンが詰め寄る。手を握ると、彼が破滅し自殺するビジョンが。子どもを盾にした瞬間を、カメラがとらえていたのだ。カメラマンを追うスティルソンたち。
ジョニーは、抱きかかえるサラに最期の別れを告げた。




生理的恐怖感を描写させたら右に出る者のないデイヴィッド・クローネンバーグ監督の出世作。望まぬ能力を持ってしまった苦悩や彼に関わる人々の恐怖が、生々しく伝わってきます。事故で全てを失い、理解されない能力に狂人扱いをされながら脚を引きずって歩く姿は痛々しく、主人公に運命が与える試練はあまりに過酷です。ウォーケンの悲しみの演技は感動を呼び、SFスリラーでありながら、素晴らしい人間ドラマとなっています。

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『フューリー』 The Fury (1978・米)
監督/ブライアン・デ・パルマ
脚本/ジョン・ファリス
原作/ジョン・ファリス
製作/フランク・ヤブランス
製作総指揮/ロン・プレイスマン
撮影/リチャード・H・クライン
特殊メイク/リック・ベイカー
音楽/ジョン・ウィリアムズ
出演/カーク・ダグラス、ジョン・カサヴェテス、エイミー・アーヴィング、キャリー・スノッドグレス、チャールズ・ダーニング、フィオナ・ルイス、アンドリュー・スティーヴンス、キャロル・ロッセン、ダリル・ハンナ、ローラ・イネス

元アメリカ政府の諜報員だったピーター(カーク・ダグラス)は、息子ロビン(アンドリュー・スティーヴンス)を元同僚のチルドレス(ジョン・カサヴェテス)に誘拐されてしまう。ロビンは念力を操る事が出来るため、チルドレスはそれを政府の諜報活動に利用しようとしていたのだ。ピーターはシカゴに飛び、精神分析研究所に勤める恋人のヘスター(キャリー・スノッドグレス)や、同じく念力を持つ少女ジリアン(エイミー・アーヴィング)の協力を得て、ロビンを奪還しようと奔走する。
一方、チルドレスによって拘束され、念力の実験をさせられていたロビンはその威力を次第に発揮し始め、チルドレスの手から逃れようとする。



ブライアン・デ・パルマが『キャリー』の次に監督した超能力テーマの作品です。超能力者、諜報機関、家族愛と、一つの田舎町が舞台だった『キャリー』と比べて物語がスケールアップしています。超能力少年と超能力少女がテレパシーで精神感応し、高ぶった感情とともに超能力が暴走するシーンは圧巻です。また、人間ドラマの部分がクローズアップされ、大人の雰囲気のSFサスペンス作品となっています。
紹介した作品は、GEOでレンタルできます。
紹介した作品は、TSUTAYAでレンタルできます。
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